★日本海新聞2009年10月掲載「シリアの花嫁」紹介文


  「もう二度と帰れない。それでも私はこの国境を越える」―。
結婚式は、最高の幸福。しかし、花嫁のモナも彼女の姉、アマルも悲しみに暮れていた。
一度境界線を越え、花婿のいるシリア側へ行ってしまうと、二度と故郷へ帰れなくなる…。
 舞台はゴラン高原のある村。シリア領であったが、1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領。
新たに引かれた境界線の向こうにいる肉親との行き来すら不可能となった。
   エラン・リクリス監督の描く、中東の複雑な情勢に翻弄される、イスラエル教ドゥルーズ派の一家族のその一日は、モントリオール世界映画祭でグランプリ・観客賞はじめ4冠を授賞。
ロカルノ国際映画祭でも観客賞を授賞。見る者の心を惹きつけて離さない感動作となった。

(米子シネマクラブ会員 河津奈美) 



   
感 想 集

★ 最初は社会情情勢と背景が良く分からないのがもどかしかったが、途中から気にならないくらい登場人物が生き生きして見えました。(ハル 38歳 男)

★重いテーマでしたが、ユーモアもあり見せていただいて良かったです。(non non)

★最後に花嫁が、てくてく歩いていちゃったのは、これしかないというラストでした。ホームドラマとしてはお決まりの展開でしたが、お国柄がうかがえる内容で、とても面白く見ました。良かった!お姉さんの表情が何とも言いがたい美しさでしたね。(匿名)

★ニュースでは見えない現実に思いをはせることが出来た。(米子市 30代 女)

★政治紛争が市民の小さな幸せを壊してしまいますね。世界中が平和になる日が早く来ることを祈ります。(匿名)

★字幕が読めればもっとよかったのに…。 (匿名)

★よその国の情景が見られて良かった。本当の現場、民家の様子など―。家族の情況が切なかった。あの奥さん(姉)に惹かれた。大学へ行くのか?すごいなあと思った。結婚の情況が分からない。高い金を払ってみる映画なので、こんな分からない映画を見るべきだと思った。(小徳澄美 55歳)

★結婚式という人生の一大イベントが、政治の混乱に振り回される庶民の姿が印象に残りました。国際赤十字委員会のスタッフの奮闘ぶりと、政治に振り回される姿に、今も同じ様な事が世界の紛争帯でおこっていると思いました。自分の意思をつらぬいてラストはよかったです。(高松知恵子)

★花嫁の最初のシーンが凄く印象的でした。「無国籍のパスポート」初めて知りました。この作品では、アラビア語をはじめ多数の言語が使われています。言語の多さがこの地域の複雑さを物語っているように感じました。(田中英治)

★宗教や政治にここまで人生がいじられるなんてことがあっていいんだろうか。それにもめげず自分の意志で境界を越えていったモナの姿に感動した。自分の意志で行動する。ここが重要なんだと思う。(大田市民)

★政治、規則、親子の愛憎、すべてを超えて彼女の選んだ道は「希望」だったらしい。花嫁を見送った姉の姿がすがすがしかった。(米子市 52歳 男)

★背景と字幕が共に白く、字が読めない部分があったのが、残念でした。次の例会が楽しみです。(60歳 女性)

★自分の知らない、現実があることを知っただけでも、見た価値はあるかなと思います。無国籍、二度と生まれ育った地に戻れない、ことなど想像もできないことでした。(米子市 女性)

★ムービックスでは見られない映画をいつも見られて楽しみです。多言語が飛びかっておもしろかった。63歳 主婦)

★初めてイスラエル地方の花嫁の映画を見ました。結婚ひとつにしても大変な事なんですね。時々ユーモアがあって良かったです。(匿名)

★なんか政治色が強い映画でした。たまに笑えるところもあった。境界というのが大きなポイントで、あの姉もダンナとの今までの境界を越える決心をしたんだと思った。(ハイジ 50歳 女性)

★現代社会と思えない背景。帰って一度解説を読みなおします。(31歳 女)

★途中まで面白かってんけど、残念やなあ、分らへんようになってしもた。(井山宣和)



      
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