★日本海新聞2010年2月掲載「そして、私たちは愛に帰る」紹介文


  今回の作品は2007年制作のドイツ・トルコ合作「そして、私たちは愛に帰る」です。
監督・脚本のファティ・アキンはトルコ系移民2世として1977年ドイツで生まれました。
この作品は3組の親子がドイツとトルコの2国を舞台に、悩み、悲しみを乗り越えて、
人生に希望を見つけて歩んでいく物語であり、これは監督自身の生活、背景と関わりのあることでもあります。
 トルコ映画は映画祭のような特集上映として、わずかな本数が紹介されているにすぎないようです。
東西文化の交流地としてのイメージが強いこの国から離れ、文化や考え方の違いのあるドイツで生活している彼らの生き方を私たちは知ることになるでしょう。

(米子シネマクラブ会員 熊谷修一) 



   
感 想 集

★緻密な構成で練り上げられた佳作だと思う。あれだけの多層な伏線を最後に生かさず終わらせるラストも秀逸。トルコとドイツの移民問題、社会的な背景から、親子の情に至るまで、きめ細かに描かれていて、個人的には最高に面白かった。(縄 勝文)

★戦後ドイツは労働力不足を補うためトルコから労働者を受け入れた。この不況でトルコに帰ってもらうか、ドイツ人になってもらうか。あんな父親を子として許せるか。ラストシーンは父との追想か?(宇田川靖)

★古希を迎える年になっても、人間関係にびっくりすることがあります。長い付き合いの友人同士が、ちょっとした話のついでに、お互いが身近な存在だったと聞いたときです。この映画はそんな思いを感じさせられる映画でした。もっと積極的に友人のことを知っていたら、自分のことを話していたら、このすれ違いの人生がもっと良く?なるのではと思うからです。最後のシーン、私はお父親が帰ってくると思いましたが、皆さんはどう思われたのでしょう。一つの映画、場面でも人それぞれ感じ方がちがっていて、その人の人生がうかがい知れるような作品でした。(スカイラーク 68歳)

★久しぶりに見ごたえのある映画だと思います。トルコとドイツの関係は我々が理解するには深い問題行動が横たわっていると思うが、その上での人間模様とのからみはうまく成り立っていると思った。(女性 60代)

★意外にスピーディな展開で面白い話だった。エンドタイトルでの息子の背中が全てを語っていたようです。(米子市 男、52歳)

★よく出来た脚本で俳優も熱演で、心打たれる作品でした。

★とても不思議な展開でした。

★音楽も良かったし、街や建物、景色も楽しめました。

★この物語はすれ違いと再会がテーマの作品だと思う。しかし、その再会は大きな痛みのあとにやってきて、尚かつ苦みをともなうものだった。それでも、再会から親子関係が再生していって深い理解が生まれる。(大田市民)

★解説を読んだけどよく分からなかった。初めのシーンが最後のシーンだと終わりごろに分かった。3組の親子の哀しい‥‥姿。ロッテの母親も謎でしたが、私には一番近い存在で涙が出た。娘を愛して、信じて、最後に失って、娘の愛したマイティを助けようと思った。すれ違いばかりだが、3組の親子はつながっていた。人の思いや力とは別に、時間はつながり、流れるのだと思いました。終わりのシーンのトルコの海沿いの村の風景の描写は素晴らしかった。(小徳澄美)

★複雑な人の組み合わせと内容の作品だった。ラストシーンに人の愛に感動をおぼえた。(青い蝶 60代)

★途中から推理調に感じられ、段々と引きつけられながら見ました。最後は少しモヤッとしましたが、かえって何もかも明らかになってしまう結末よりも良かったのかなと思います。(女性)

★難解で重い内容なのか、それとも恋愛なのか良く分かりませんでした。でもいい映画でした。

★簡単に死ぬもんだな。だから3万人も自殺するんだ(井山宣和)

★親子の葛藤、反政府活動、殺人、レズなど盛りだくさんの内容を3家族に託すにはかなり無理があったと思う。主人公が最後に浜辺に腰をおろして海を眺めているシーンが結構長かったのは、父親が無事帰って来るのを待っているのでしょうか? それとも帰らない父親を待っているのでしょうか?(M.I.)

★こんな偶然なんかあるわけない。必然性も無いし!

★間延びしたテンポに正直見ているのが苦痛でした。偶然や出会いに流されていくのが人生だとしても、この映画がそうした様々な人生を、映画としてうまく切り取っているようには思えませんでした。(鈴木)

★ドイツとトルコの関係など、時代背景などを勉強してもう一度観てみたい作品です(田中英治)

★とても難解な映画だった。トルコの音楽、エンディングの波の音がずっと耳に残った。(夢見るおばさん)

★内容がよくわからなかったです。政治的な事があり、複雑で、もう少し明るい、前向きな映画が見たいです。(女性)

★人間勝手なものだ。自分を含めて。むつかしかった。理解出来るようで理解出来ない面もあり、むつかしく、よくわからなかった。(50代 女)

★何か無理につじつま合わせをしたような変な映画。今までの例会の中で最低なものではなかったかと思う。  

      
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