★日本海新聞2010年8月7日掲載「夏時間の庭」紹介文


  この映画の3人の子の母親は、どんな思いを込めて美術品コレクションをしていたのか。
 そのお母さんは、子どもたちの将来を考えて、一切を美術館に寄贈すると生前決めていた。
 「私が死んだら、すべて消えていくのよ」という言葉は、どんなに楽しく輝いていた日々もいつか終わりがくるという、悟りにも思える。
 予告のどこにも子供たちの父親について語られていないが、映画の中で明らかにされるだろう。
 美術館に寄贈された作品の制作者、収集し慈しんだ人たちはいなくなっても、その作品は色あせることなく、そこに存在している。
 作品たちがこの家族それぞれにどうかかわっていくのか、映画は示唆している。
 この映画のアールヌーボーの家具、ガラスの器、絵画は「オルセー美術館」の全面的協力で本物が使用されている。
 どんな使われ方をしているかを観る楽しみもあり、美術館の企画、制作なので、光あふれる画面の色彩美も一見の価値があります。

(米子シネマクラブ会員 高松知恵子) 



   
感 想 集

★一つの家族のいろいろな姿や境遇や想いが、玉ねぎをむくように会話を通じて少しずつ明らかになっていく様子がとても面白かった 。結末が少し安易な気がしましたが、個人的に好きな映画です。(鈴木)

★美しく豊かな生活に魅せられました。こんなに広大な大邸宅でなくてもいいから、緑と犬と猫にかこまれた暮らしがしたい。 あの大きな犬達はどこにもらわれていったのかなと思いました。(でぽりんこ)

★寂しい結末だったけど人(孫)の心の中に思い出として残ってゆくのが救いでしょうか(65歳 女)

★老後の身の処し方を考えさせられた。古い家と広大な庭の映像がきれいだった。こんな映画は、いつも思うのですが、映画館では見られないと思う。(63歳 主婦)

★泣きたくなった。じんわりとかんがえたくなる、きっと。(60代)

★まぶしい程の幸せに満ちた夏の庭での一族、その主を亡くし、現実から逃れられない各家族の生き様と哀しみをさりげなく描く。 ドライな孫娘の一粒の涙。家政婦の存在感が深い味わいとなっている。時間と共にジワジワとくる佳い作品でした。(音量が強くとても耳障りでした)(R)

★時代は移る。住む人の条件も価値観も、永遠に続くものでは……

★期待していたイメージとは少々異なっていた映画であった。私自身も憧れる美術と緑あふれる自然に囲まれた生活が、どうしようもない現実に犯されていく様。 痛々しくもあり、しかし逃れようのないものであることを受け入れざるをえないものかも。(匿名)

★時代の変遷が画面を追うごとに感じられて少し寂しくなりました。(匿名)

★母親の家を私が守る……と長男がいったのがラスト近く。3人で分配する前にもっと強くアピールすべきではないのか?  いなかの自然あふれるおばあちゃんの家。お宝がなくても守りたいものです。(宇田川靖)

★個人所有の美術品が美術館に収まる過程がよく分かる映画。相続税はどの国も大変。(匿名)

★オルセー美術館20周年記念のためにつくられた映画とのこと。単なる宣伝映画かなと思いましたが、意外と良かったです。映像はきれいでした。この作品自体が美術品みたいな感じでした。

★内容が非常に現実的。登場人物の関係が分かりにくかった。言わんとすることはよく分かるんですが、今一でした。(匿名)

★いきなり次の場面へ飛んで内容をつかみにくかったです。(25歳 女)

★あの家と庭を守るのかと思っていたが……残念です。唯、相続税がすごいから仕方がない。 ただ、美術館で素通りされるのは寂しいです。主人公が言った通り。やはり使って生きる物だなと思いました。(小徳澄美)

★字幕スーパーも期待してみるのですが、今回は「戸田奈津子」さんなら、どんなセリフに訳されるのかなと思う所が多々あり、ちょっと不満……。(M.I 女)

★雑然としていてストーリーが分かりにくい(匿名)



      
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