寺社札 大山札



 奈良時代に開山された大山寺は戦国時代末期には増兵を蓄えた事もあるほど栄えていましたが、明治8年(1875)廃仏毀釈によって本殿を大神山神社に引き渡したことにより、大山寺は急速に衰退してしまいました。
 この札は江戸末期、大山寺が独自に出していた米札です。札の種類は米弐升銭百文・米壱升銭五十文・米弐合銭十文の三種です。
 米を受け取ったのでこの札を持ってきたら銭を渡します、という建前で寺社札として流通していたと考えられます。弐升の裏面には「表書之通慥(たしかに)預申候、但、弐升二付、代銭百文定 引替方」と書いてあります。表に書いてある通り確かに米を預かった。ただし、米の値段は変動するので、壱百文に定めたという意味です。


額面  表  裏
 米壱升 
銭五十文
   
 米弐升 
銭百文