安全・安心の原子力立国へ

高木美智代・経済産業大臣政務官(公明党)
柏崎刈羽原発周辺への影響はなし/耐震安全性の確認など万全期す

 安倍内閣が国民との対話の一環として発刊しているメールマガジン(9日
発行)の各府省庁で行政を担当している副大臣・政務官による「お答えしま
す」コーナーで、高木美智代経済産業大臣政務官(公明党)が原子力発電
の安全確保について、質問に回答しています。その全文を紹介します。


●質問

 リスクはあるものの、原発の推進は日本と世界全体にとって必要であり、
電力会社は一層の安全確保と情報公開に努めてほしいものです。ただ、安
全確保にかなり無理をしているようであれば、電気料金の値上げをするなど、
電力需要を抑える努力も必要と思います(男性、30代、会社員、神奈川県)。

●回答


原子力発電は、供給安定性に優れ、また、二酸化炭素を排出しないクリーン
なエネルギー源であります。現在、世界的にも拡大の動きが見られます。
我が国にとってもエネルギー安全保障の確立と、地球環境問題の一体的
な解決を図るかなめとなっています。

 ただし、原子力発電はあくまで「安全・安心」が大前提です。経済産業省
では、日頃から原子力施設の安全審査、定期検査に取り組み、「安全・安心」
を確保するよう努めているところです。

 先日の新潟県中越沖地震では、柏崎刈羽原子力発電所にも多数のトラブ
ルが発生しました。すべての原子炉は設計どおり制御棒が自動挿入され、
安全に停止しましたが、微量の放射性物質の漏えいもありました。

 地元を始め国民の皆様には、大変ご心配をおかけしましたが、その影響は、
自然界から人間が1年間に受ける放射線量の1千万分の1にとどまるもので
あり、周辺環境や地元産物への影響は全くありません。


国民の皆様にご安心いただけるよう、こうした正確な情報を分かりやすくお
伝えするとともに、(1)自衛消防体制の強化(2)迅速・厳格な事故報告体制
の構築(3)確実な、しかし可能な限り早期の耐震安全性の確認などの対策
を行い、地震で明らかになった課題を踏まえ、今後の原子力安全の確保に
万全を期していきます。

 柏崎刈羽原子力発電所は、関東圏の電力供給に重要な役割を果たしてい
ます。運転停止により、夏期の供給力が減少することになりましたが、首都
圏が大停電に陥る事態だけは防がなければいけません。


そこで、梅雨明け以降の需要期を前に、電力の安定供給を期するため、当省
に「関東圏電力需給対策本部」を7月20日に設置し、私も副本部長として参
加いたしました。東京電力に需給両面の対策を求めるとともに、関係省庁や
地方公共団体などの協力も得て、産業界、国民に対して広く節電を呼びかけ
ております。皆様におかれましても、節電にご協力をいただきますよう、お願
いいたします。


私どもも昼休みには、必要な箇所を除いて全館一斉消灯し、エレベーターや
OA機器の使用をできるだけ控えるなど、節電対策の徹底を行っております。

 今後とも、国民の皆様にご安心、ご理解をいただけるよう努力を重ね、我が
国が世界で一番安全で安心な原子力立国としての地位を確立することを目指
してまいります。

 最後になりましたが、夏休みには、ご旅行先などに、どうぞ安心して夏の新潟
をお選びいただけましたら幸いです。


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