安倍改造内閣が発足
難局乗り越える重厚な布陣
太田代表が強調 政府と与党の連携緊密に
公明の冬柴国交相留任
安倍改造内閣が27日夜、発足した。安倍晋三首相(自民党総裁)は同日
午後、臨時閣議で全閣僚の辞表を取りまとめた後、首相官邸で公明党の太
田昭宏代表と会談した上で、組閣本部を官邸内に設置、組閣に向けた最終
的な調整を行った。
党首会談で、太田代表は「参院選後の新しい状況なので、政府と与党の
連携、与党間の連携を緊密にすることが大事だ」と述べた。これに対して、
安倍首相は「全力を挙げたい」と応じた。
首相は、内閣の要となる官房長官に無派閥の与謝野馨前経済財政担当
相、財務相に津島派の額賀福志郎元防衛庁長官、外相に町村派会長の町
村信孝元外相、防衛相に高村派会長の高村正彦元外相を起用。文部科学
相には、伊吹派会長の伊吹文明文科相が留任。ベテランの起用が目立った。
公明党からは冬柴鉄三国土交通相が留任した。
民間からは増田寛也前岩手県知事が初入閣し、総務相に就任。また、厚
生労働相には無派閥で初入閣の舛添要一自民党参院政審会長を抜てきした。
このほか、国家公安委員長の泉信也、農水相の遠藤武彦、環境相の鴨下
一郎、沖縄・北方担当相の岸田文雄、少子化・男女共同参画担当相の上川
陽子の各氏が初入閣した。
改造内閣の顔触れは、閣僚17人のうち経験者が留任5人を含め10人に上
り、派閥領袖も3人を外相、防衛相、文科相など重要ポストに配置するなど、
難局を乗り越える重厚な布陣となった。その一方で、政策通の舛添氏を初入
閣させるなど、バランスに配慮した。
安倍晋三首相も含めた閣僚の平均年齢は60.4歳で、昨年(2006年)9月
の内閣発足時と比べ0.5歳若返った。民間出身者は増田総務相と留任した
大田弘子経済財政担当相の2人。女性閣僚は内閣発足時と同じ2人を入閣さ
せた。
改造内閣は同日夜、皇居での認証式を経て正式に発足。その後、首相は記
者会見を行い、政権運営に臨む基本方針について見解を明らかにした。
前のページに戻る