食品工場・厨房におけるHACCP管理にコンピューターによるデータ集約と管理
 
1.はじめに
 平成8年 鳥取県大山町において日本で初めて病院福祉に関しての セントラルキッチン方式による給食を、厚生省の指導基準に基づいてHACCP管理により手がけることとなった。
 元来HACCPは食品工業向けには大変すばらしい安全を保証する方式だが、病院給食においては「厳密」なHACCP管理を実際に実行してみて、不可能と思われた。病院給食はメニューも多く複雑で、再度同じメニューを用いる率も他の厨房(例えば外食)に比べて低く、各料理ごとにHACCPを厳格に守ることは不可能ではないが、コストがかかりすぎる面がある。
 例えば、ある日作ったビーフシチューを喫食時臭いの異常に気付いたとする。製造工程すべてのCCP、特に加熱冷却を始め前工程の温度管理等、又そのシチューに用いた肉はどの問屋より何時仕入れたかというデータに基づき、同じロットで仕入れた肉は他の料理に使用したか否か調査する。その調査を15分で完了するのは帳簿による方式では無理であり、工場内はデータの山ができその山の中から必要なデータをすばやく取り出すにはコンピューターの力を借りなければ現実不可能であることが解った。
 そのような現実にぶつかり、私は厨房管理をHACCP管理にするには、
          @リティールHACCP方式
          Aコンピューター管理方式の2つを考えた。
 @の方式はフーズデザインの加藤氏の説明を待つまでもないが、Aの方式は数社で手がけている。(サンヨーとの共同研究など)
2.研究テーマとしての食品工場・厨房におけるHACCP管理にコンピューターによるデータ集約と管理

三洋電機産機システム群馬研究所との共同研究であるクールメモリを用いたHACCPデータ管理方式
原料から製品の出荷まですべての温度を追いかけていき、コンピューターで各データを一元化してグラフ化する。
  

3.友田セーリングとのCADを用いたHACCP管理
加工工程をいかにビジュアル化し、各工程のHACCPはもとよりSSOPから使用機材のマニュアル等、すべて1枚の図面の中に落とし込む方式
 

4.その他
・ セールコンエンジニアリンググループの管理方式
人の流れ・動きも非接触ICで管理する
バーコードをうまく利用できることが特色
セールコンエンジニアリンググループと三菱重工業との共同研究
・ 日立プラント工業の管理方式
モバイルのCPを用いて、モバイルにマスターデータをダウンロード、CPに管理データをアップロードができるのが特色であり、データを現場で入力しやすくペーパーレスにしたとこがすばらしい。

私としてはこれから先進的実験をしている方々と協力して、現場でより使用しやすいものに改良していきたいと思っている。