欧米の最近の調理システムを用いた
ホームミールソルーション(H.M.R) |
日本にも近年H.M.Rが導入され、多くのデパート・スーパー・専門店でH.M.Rが応用されている。本来H.M.Rはデパート・スーパーにおいて本式のコックが客のオーダーに応じ厨房内で作りたての料理を提供し、本格的なレストランと同等の味の料理が購入でき、帰宅後その料理でホームパーティーができるというキャッチフレーズで進展してきた。しかいし、現実はレストランと同等の味の料理を格安で提供するにはレストランでのコストの中に含まれている償却費・サービス料を安くする程度であり、客が希望する程度の安さにするには、来店客数の増加しかない。しかし、新しい業態がスタート時点により来店数が多く望めないジレンマがある。もう一つ日本には日本食・洋食・中華、最近はエスニック料理と大変幅が広くなったことであり、それぞれの専門技能者をバックヤードに置いておくのはコストがかかり過ぎる。従って中途半端な技能者で行えば今までの「惣菜店」とどう違うのかというジレンマにぶち当たる。
そこで私は「アッセンブリック・トゥ・オーダー」方式、即ち半加工した料理素材が客の注文に応じて組立工場の如くマニュアルに基づいて最終調理をする方法を考えている。
そうすれば多品種の料理が専門技術者でなくとも調理できローコストオペレーションが可能となる。例えば、中華料理の酢豚は多くの惣菜店はセントラルキッチン(CK)で酢豚を作りパックして店に配るので豚のから揚げの衣がベト付いてしまい美味しくない。又店で初めから作ると小ロットで作るのでコストがかかり過ぎる。
私は2〜3人前のキットをCKで作って持ち込む方法をお薦めする。即ち「味付け豚のから揚げ」「玉ネギ・ピーマン・ニンジンのカット」「味付け用タレ」これをキットとして用意しておいて、客の注文に応じコンベクションで「豚のから揚げ」を加熱し、フライパンで「ヤサイミックス」を炒め、そこに「豚のから揚げ」を入れて「タレ」をかけトロミが出たら完成する。この方法は従来一部のコックさんも行っていた方法をスキルアップしたものであるが、十分専門職と同じ味が簡単に出せるし、コストも相当安くなる。日本には日本の市場に合ったH.M.Rの運用方法を考えるべきと思っている。
ここで最近電子レンジとコンベクションオーブンを組合わせた調理機械でオペレーションマニュアルに従って調理すれば、素人でも相当手の込んだ調理も可能となってきている。
このような考え方は調理を技能から技術へと変える一つの方法である。料理を科学する考えを今後推し進めるべきと考えている。
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