人事評価システム

食品工場において、多くの社員を評価することを経験した私としては、下記のような評価基準に基づき、社員の昇給・ボーナスの査定に活用しながら、病院給食の厨房職員の能力評価を行った例を挙げる。
厨房は6箇所あり、各厨房に10〜20人の職員が働いていて、又各厨房の難易度は異なっていた。私が毎日各施設を見るには地理的に難しく、全施設の責任を私に持たされた時、給料と個人の能力に大きな乖離が生じていることに気付き、このままでは若い人が育たないという危惧があった。あまり内容の変らない仕事をしているのに新人と年配者とでは給料が2.5倍の差があった。年功序列の給与体系では現場の活力が生ぜず新人もやる気を起こさない。

T 社員相互評価方式
1) まず下記の能力評価表を用いた(別表)
2) 次に各社員が自分を除いて同僚の評価をした。評価が甘くなるのを排除するため、「良くできる」 ・「普通」 ・「あまりできない」 の割合を30%,40%,30%の割合にして頂いた。
3) 各人が評価した結果を全員まとめた。
4) 各職場ごとの難易度を付け、職場ごと平均値を難易度に対応して移動させた。

U 上司による評価を階層的に加味させる方式
  社長から直接の上司まで何階層かになっている場合、各上司の評価をどのような割合で加味するかが大きな問題となる
1) 各上司の評価を(2)評価基準に基づいて行う。
2) 評価基準は職種ごとの表を用いて行う。
3) 階層別の上司の持点を前もって決めておく。
4) 職場ごとの難易度を決める。採点する平均点を難易度に合せ移行する。
5) 組織ランク(部長・課長・主任・係長等)に応じた評価基準を作る。

(例) Aさんの評価
持 点 点 数
社 長 5% 70点 3.5点
部 長 10% 60点 6点
課 長 30% 50点 15点
主 任 30% 50点 15点
係 長 25% 80点 20点
平均点 59.5点
(注)係長と主任の評価が50点と80点で、20%以上差がついている場合は、両者が話し合い差のついた理由を調査した上、調整すること。

V 複合方式
 TとUの方式を結合させるのも一つの方式となる