輝く女性
夕方6時過ぎ、雨のやみ間を縫ってジョギング開始。いつもの農道にさしかかる。田んぼに女性の姿。年の頃は65歳前後か。梅雨でぐんと伸びてきた稲にまとわりつく雑草を、腰をくの字に曲げて抜いていた。7時前、女性はやれやれという風にあぜ道にあがってきた。
私は足を止めて声を掛けた「こんにちは」。
「ご苦労様です」女性は頭を下げた。
「大変ですね。腰が痛いでしょう」
「本当、痛いですよ」
少しの間をおいて私は言った「失礼します」
今夕出会ったこの女性は、目立たないが大切な業(なりわい)を、毎日黙々とこなしている。
宮里藍
宮里藍がアメリカツアー4年目にして初優勝。今までの4年間が無駄ではなかった、キャディさん、家族、ともだち多くの人が力になった、そういう趣旨の発言をしていた。そのとおりだと思う。
宮里藍は優勝という結果が出た。だからそう言える。では、今回優勝できず、これからも優勝できなかったら意味はないのか。意味は薄いのか。
そうではない。優勝できなかったとしても、そこに意味を見いだし、値打ちを見いだすことこそ、人生の達人といえる。なぜなら、人生には、勝つ負ける、いい悪い以外の価値のほうがはるかに多いのだから。
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