ボージン・アンド・バークス店からでてメルセデスはダイアゴン横丁に向かって歩いていた。
今いるノクターン横丁は日中にもかかわらず日が当たらず薄暗い陰気な街だ。
ココの住人達はぼろぼろのマントを身にまとい店の壁によりかかったり道路にへたり座ったりしていてナントも生きてても死んでいるように見える。
彼らはメルセデスの姿を一心に目で追いかけていた。
目をあわさないよう(黒いサングラスをしていてたからだいじょうぶだが)店の方に目を寄せながら彼女は歩くようにしていた。
並ぶ店は皆闇の魔術に関するものばかりに見え、いかにも自分の職業柄使わないものばかりに思えるが、実際彼女は大いに興味があった。
白魔術を知るには黒魔術のことも知識にいれておかなければならないし、さっき店で売ったモノは闇の魔術に関するものにほかならなかった。
でも、今日は買い物が多いからがまんしなければ、これらは学園に持って入れない。
しぶしぶウィンドウショッピングでしながらダイアゴン横丁へ出る道沿いを歩いていたらじっとこっちを見ていた一人の薄汚れた魔女が自分に話しかけてきた。
「お嬢さん道に・・」
「迷ってません!」
魔女が言い終わらないうちにきっぱりと断った。
彼らが親切心で道を教えてくれるとはとうてい思えない。
ともかくかかわらないほうが一番いいのだ。
前を進もうとするといつの間にか自分の周りにはノクターン横丁の住人達が群がっていた。
「ちょっと通してくれません?急いでますの。」
丁寧な言葉遣いとは裏腹に声は冷たく言い放ったが
「お嬢さん、あんた、きれいな髪だねえ。ちょいとさわらせておくれよ」
と数人の住人達が頭に赤いスカーフをまいていながらかくしきれないメルセデスのロングヘアーに手を伸ばして触ろうとする。
「やめてください!」
彼女は後ずさり避けたがどんどん伸ばしてくる手の本数が増えてくる。
とりあえずピンチなのだが彼女はフッと
何か私ってゲームのバイハザードの主人公みたいと頭によぎった。
さしずめ住人達はラクー○シティに蔓延るゾンビといったところか。
あ〜なんかなんかなんかバレッタでこいつらの頭一発筒命中させたい。
というかマグナムで三弾ぶち抜きとかヤッチャイタイというか殺っちゃう?
どす黒い考えを実行しかけた時
「そのこから離れんかー!!!」
突然の男の声に皆その声の主の方に目を遣って震え上がった。
その声の主は常識にもはなはだしいボブ・サップはゆうに超えているだろう大きな体をしていて黒い髭もじゃの大層凄みのある外見の持ち主だった。
ルビウス・ハグリット!!
メルセデスは彼のことを知っていた。
このホグワーツの森の番人のことを。
一目散に逃げていくノクターン横丁の住人をフンっと鼻息を荒らした後、メルセデスのほうを向いた。
「あぶなかったな。俺が肉食ナメクジの駆除剤を買いにココに来なかったらどうなっていたか。」
きっと私は魔法でマグナム銃をだして殺戮タイムを楽しんでいただろう。(白魔術師としていただけない)
とはまあ言えなかったが素直に助けてもらったのがうれしかったので
「あぶないところを助けていただいてありがとうございます。」
とおきまりのお礼を言った。
彼女の凛とした声にハグリットはフッと顔をびっくりしたような顔をした。
「あんたの声俺がしってる人にそっくりだな〜。その髪の色といい・・・。」
メルセデスは口をほころばせると顔に掛けていたサングラスを取った。
素顔を見たハグリットは目の玉が飛び出るくらいびっくりした。
「メルセデス!?いや、今三十過ぎちょるから・・・」
「あなたが言ってるメルセデスはきっと母のことでしょう。私は彼女の娘です。私の名前もメルセデス・ルチアーノといいますの。」
さも初対面のように振舞った。
彼は私が不老ということは知らない。
彼が知ってるメルセデス・ルチアーノは二十数年前にホグワーツに在学していた私のことだ。
ダンブルドアが作ってくれた戸籍にも私はその母親と同じ名前の娘として登録されている。
でも、私は彼の事をずっと前から知っていた。
五十年前から。
「そうか〜メルセデスそっくりかと思えば名前も同じだったとは、俺はルビウス・ハグリットというんだ。
おまえさんの母親がホグワーツに来るずーっと前からホグワーツの森の番人をしとるんだ。」
「まあ、私今年から二年生としてそこの学校に転入しますの。」
「二年生?ずいぶんっと大人っぽいな〜。二年、ハリーと同じ学年か〜。
ああ、ハリーというのはなあの、例のあの人との一戦で生き残ったといわれている・・・」
聞いてもいないことをメルセデスに話しはじめた。ハグリットと会ったのは実に十数年ぶりだ。
メルセデスは男の外見の記憶力というものが薄れている。
ダンブルドアはチャームポイントの白い長い髭をサンタと勘違いをしてしまい
スネイプは熱いくち付けを交わすまで思い出さなかった
ルシウス・マルフォイは息子のドラコが苗字をいうまで微塵も気づかなかった
だが、ハグリットは覚えていた。
そうでかい人間もいないという理由もあるがもっと他にも思い入れがあったのだ。
彼の話を微妙だに聞き逃さないように耳をかたむけつづけながらもっと昔の過去がよみがえって来る。
思い出すのは彼がホグワーツを退学になったあの日の場面。
大きな体を丸くして背中を向けて泣いていた姿。
とてもかわいそうだった。
でも、一生懸命にハリーポッターの話をしてる彼はあの頃よりだいぶ元気に過ごしているようだ。
「なあ、ハリーは本当にすげ=いい奴だぞ。おまえさんも彼に会ったら絶対好きになる!!」
とりあえず話しに区切りがついたようだ。
そろそろ先を急がなくては
「色々話を聞かせてくれてありがとう、ハグリットさん。ココから先は私一人でも大丈夫よ。新学期にホグワーツで会いましょう。」
メルセデスはそう言いダイアゴン横丁に歩いて行く。
ハグリットは彼女の後姿を眺めながら思っていた。
本当にそっくりだな。親娘でもこうにるもんか〜。それをいうならハリーも負けておらんけどまるで昔の彼女本人と話をしていた気分だった。
母親の方は外見に合わずけっこうがさつでさっきの娘のほうはおしとやかだったなあ。(そう思うのは彼女はねこを被っていたから)
でも、あの子を見たらまたあの人のこと思い出しちまった・・・。
俺の心の永遠のマドンナ。
しかしあの人はもうこの世にはいない。
五十年前に死んでしまった。
殺されてしまったのだ。
実の父親に。
とてもかわいそうだった。
彼女の姿が見えなくなるとハグリットは肉食ナメクジの駆除剤を売っている店を探しに彼女が来た道に向かって歩いた。
しばらくして老魔女にからまれていたハリーポッターを助けさっき会ったメルセデスのことを話したらハリーは
「せっかくの出会いのチャンスをあのデコッパち親子が・・・ロンのパパにちくって冷や飯食わしてやる!!」
目に見えるような黒いオーラーを発しながら壁に自らの拳をぶちこんだ。
そしてあまりの痛さにその場にしゃがみこんだ。
そんなハリーの姿を見ながらハグリットは今の彼をメルセデスが見たら絶対好きにならないだろうな〜と思った。