カツーン・・カツ―ン

今は夏休みの真っ最中で生徒達はみなそれぞれ帰宅していて、ホグワーツは静寂につつまれ夏の日差しだけがさんさんとしていた。

廊下には人気がなく、足音だけが一定のリズムで響いていた。

足音の主の名はセブルス・スネイプ。

魔法薬学教授で蛇がシンボルとされているスリザリンの寮長だ。

この暑い中体温を感じないのですか?とおうかがいしたいほど彼は黒ずくめの袖長い服を上から下までピッシリ着込んでいて

臨死体験常連さんですか?つっこみたいほど顔が青白かった。

彼は右手に持ってある白い用紙に目を向けながら歩いていた。

ふだんのホグワーツの廊下でそんなことしようものなら、大勢の生徒達にぶつかり

自分が悪くても自分の寮の生徒以外「減点!」の嵐だったに違いない。

用紙の内容は新学期に使う魔法薬学の材料リストの注文書である。

頼んでいたものの届け先が自分の受け持っている地下の教室なのでそこに向かう途中なのだ。

ひそひそひそひそ・・・・・

「?」

ふいに自分の耳に人の話し声が聞こえてきた。

今時分が通っているところは無数の不定期に動く階段のある場所だ。

そこにはさまざまな絵画が壁に飾られており絵画の中に描かれている人物達は生きてる人間のごとく動いたり話したりできていた。

ときどき夏休み中に学校を訪れることはあったが、たいていこの時期は絵画の人物だけではなくゴーストたちもめだった動きは見せない。

なのにどうしたことか今日はなんだかさわがしい。

ゴーストたちは行き酔うように浮かれており、絵画の婦人達はぺちゃくちゃと噂話に花を咲かせているようだ。

なにかあったのか?

まあ、自分には関係のないことだろうが。

その光景を無視して先に進もうとするがどうも他でも自分でも認めてしまう地獄耳に婦人達の話し声がはいってしまってた

「見ました〜?さっきの娘。すごい綺麗な女の子でしたわね〜。転入生かしら?」

女の子? 転入生か。まだ我輩の耳に入っておらんかったが、美人か・・・

「あの波打つような銀色の長髪・・・。淡い紫の瞳・・・。この世のものとは思えなかったわ。」

ほう、それはめずらしい色素の組み合わせだ。我輩の知人にもいたが。まあ随分昔のことだ。

「で、ぜったいあの方の娘だと私確信をもっていえるのだけど・・・。」

「ねえ、お姿がそっくりですものねえ。まるで生き写しのように。年齢的に見てもその世代でしょうし。」

この学校の卒業生の子供が親の母校に通うことは珍しいことではないし。親そっくりに育つ者もいる。あのハリーポッターのようなな。

スネイプがほわほわ考えていると絵画の婦人達は廊下でつったている彼のほうに向き

「ああら、スネイプ教授ごきげんよう。どうやら私達の会話を盗み聞きなされてた御様子ですわね。」

「盗み聞きとは人聞きの悪いですなあ。むしろわざと我輩に聞かせるように話してたようにお見受けしましたが。」

婦人達の肖像画は会談の階数で言うと二階と三階の間に飾られている。

今スネイプがいる場所は一階の廊下。

位置的に彼は婦人達に見をろされているように見える。

「私達、さっきとある少女に出会いましたのよ。お聞きになされたようにホグワーツの生徒ではなかったようですが。」

「ええ、聞いていたのでね。で?」

スネイプがもったいぶらずにその先を話せといわんばかりに言うと

「銀髪で目が淡い紫・・・ラピスラズリというのかしら。そして、この世のモノとは思えない絶世の美少女。心当たりございません?

スネイプ教授?」

「こころあたりだと・・・。あることはあるが、・・・!?まさか!!!」

セブルスの顔にみるみる驚愕の色がでてきた。

いや、ありえない。考えたくない。思い出したくない。あの頃の自分はどうかしてたのだ。

婦人達は昔の我輩がしでかしてしまったことをいまだ覚えているらしいが、

今の我輩は当事とは違う。

なんだ、この胸の不安は・・・。いや、わきあがる期待は、

彼の心中をを読み取った婦人たちは満足そうにトドメヲ刺した。

「あの子はぜったいメルセデス・ルチアーノ嬢のむすめですわv」
そのころメルセデスは鼻歌を歌いながら中庭が見える廊下を歩いていた。

トイレに行ってすっきりし、ただいまホグワーツの中を探検中。

ここに来るのはホント久しぶりねえ。卒業したらまず来ないもの。

でもあんまり変わり映えしてないわ、久しぶりだし迷路みたいな学園だから道に迷うかと思ったけど。

でもあの校長のことだもの、夏休み中とか誰にも悟られないように改造しているんじゃないかしらv

だったらまた夜中抜け出して探しに行きたいわ。

そう、私の答えはもうすでに決まっているのよ。

答えはイエスだ。

ただあのまま簡単に返事するよりも不安を煽ったほうがあとあと条件をだしやすい。

それに私には好都合だったのだ。

私はまたこのホグワーツに戻ってくることを密かに願っていた。

理由は様々あるけど一つだけ飛びた理由がある。

それは・・・・・・・・・・






「ルチアーノオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
「!?」
なにごと!?

自分の世界にはいってて現実に取り戻された彼女は自分がさっきまで通ってきた道のりを振り返ってみた。

そのとき自分が見たものは
黒い服を着たおじさんが自分の苗字を叫びながら突進してきている姿だった。
「おまえか〜ルッチアーノオオオオオオオオオオオオオ」
いわずとしれたスネイプだ。

メルセデスは彼の姿を見たとき三つの選択が瞬時に浮かんだ。





1・にげる?

2・にげる。

3・にげる!


選択じゃないじゃん!!!

ようするに本能が逃げろっていってるんだわ!!!

本能にしたがったメルセデスはダッシュで逃げた。

捕まってたまるか!!

それを見たスネイプはますますいきり立てて追いかけたが普段から運動するような生活習慣はつけてない彼は彼女とあっけなく距離

が離れていった。

逃げ切ったわんV

っていうか誰ですか、あのおじさん?

見たことある顔だけど、ん〜??

スネイプは自分の視界からどんどん見えなくなっていく少女をくちのはざけりを見せながらつぶやいた。

「くっく・・・。逃すか   アクーシオ、来い!!!」

「ん?きゃ=!!!」

離していた距離が一瞬にしてゼロになった。

今メルセデスの体はスネイプの腕の中にすっぽり納まっていた。

呼び寄せの呪文でみごと捕まってしまったのだ。

「いや!離して!!誰か!!ってあんたが誰よ=!!」

スネイプの腕の中で暴れだすとますます強く抱きしめられ嫌でも自分の顔面がスネイプの胸に押し付けられていく。

メルセデスの耳元にスネイプは口を近づけてささやいた。

「さわぐな。」

「!」

この、イカスささやき声・・・・。

まさか

驚きの表情で恐る恐る彼の顔を覗き込もうとしたとき無理やり顎をつかまれ次の瞬間

スネイプに口付けされた。

その口付けは長かった・・・。

ああ・・・思い出した。

この蛇のようにしつこいキス・・・このおじさんんは成長した、セブルス・スネイプだ。

メルセデスの口びるから自分の口を離し、メルセデスの顔を凝視した。

「ほう、そっくりだ・・・。といいたいところだが、卒業生の娘として、ホグワーツの学生に紛れ込む気か?

貴様は自分の名を気にいっているようだから母親の名前と同じといいはってまたメルセデス・ルチアーノで通すつもりだろう。

まあいい、だが

我輩がここの教師ということを知らなかったようだな。」

ええ、ホント知らなかった。

校長にまだ答えを言っていなくてよかったかも、今の心境は前言撤回の方向に移っているのだから。