「今日は朝からアルバーラノの森に行って木苺を沢山とってきました。
家に帰りさっそく採った木苺でジャムを作りました。
とても上手に作れました。
だってもうこれで四十五回目なんですもの。」
そう書き終えると少女はパタンと分厚い赤い色の日記帳を閉じた。
そしてため息をはいた。
少女の名はメルセデス・ルチアーノ。
外見は15〜16歳ぐらいだろうか背はそのぐらいの年齢に対して少し低く、プロポーションはすばらしくバランスがいい。
肌は雪のように白く、腰まで伸びている髪の毛の色はプラチナブロンド。
彼女の瞳の色は薄紫色。
二重で多少目じりが上がっていてきつい顔立ちに見えるが顔の容姿は大変美しく、いうならば絶世の美少女。
美少女は机に膝をついてむくれていた。
「毎日つまらないわ〜。こう退屈なら又どこか修行のたびにでも出かけようかしら。
でも、あらかた世界中回ったし、苦行は今の気分じゃできないから。
かといって旅行一人旅ってしんどいし、考えるだけで無気力なりそ〜。」
彼女は一人暮らしが長いせいか独り言をよく口走ってしまう。
今住んでいる場所は人間界の国の所有地にもはいっていない人畜無害の山の中だ。
周りには誰一人人間は住んでいない。
電気もガスも通ってない。
でも、彼女はそれらが無い暮らしになんら不便とは思ってなかった。
古びた杖をちょちょい☆と振ればあら不思議。
汚れた部屋は一瞬のうちにきれいにリフォームされ、テーブルの上には絶品の御馳走が。
もちろん味も美味しい。
ふつうの人間達の暮らしの中ではとてもなせる業ではない。
メルセデス・ルチアーノは魔法使いだ。
しかも魔法使いの中でさらにもっとも数が少なく高度な魔法使いのクラス、白魔術師だった。
だが魔法界の白魔術師登録に彼女の名はない。
登録されていれば各国の魔法使いに一気に名が知れ渡り、あらゆる各肩書きがつくであろう
人民を導く指導者、など羨望のまなざしで。
しかも女性でこんなに若く麗しい白魔術師。
なぜ登録されて無いのか。
理由はいくつかある
そのひとつに
まず魔法省はメルセデスの存在を知らない。
戸籍が彼女にはない。
いや、戸籍はあるにはあるのだが
その昔、メルセデス・ルチアーノという名前ではなかった。
わけあって本名だった戸籍には死亡とされてしまい、本名を捨てたかったこともあり新しく自分に今の名をつけた。
知り合いに偽造した戸籍を作ってもらい、魔法省をもだませて、今でも有効だ。
しかしその戸籍と彼女本人を見比べると誰でも疑ってしまうであろう。
戸籍の年齢では三十p歳。しかし外見は十五〜十六歳。
彼女は不老だった。
自分の体はこれ以上の時を刻むことができないのだ。
エルフやドワーフなど物語にでてくる妖精種は、人間と比べると長寿であったり歳をとるスピードが恐ろしく遅かったりある。
魔法使いも人間界の
住民と比べたらエルフ達とは劣るとはいえゆうに平均寿命が長くバランスのいい人生をおくれば百五十歳以上生きることがふつうであった。
メルセデスの本来の年齢はなんと六十五歳。
ゆうにまだまだ人生の終止符にはまだ程遠いいが不老である彼女にはたして寿命というものが来るのかは自分でもわからない。
なぜなら生まれつきの不老ではなかったのだから。
人生の途中、不幸な事故で不老になってしまいそのおかげで世間から距離をおいて生きるはめになってしまった。
不老になった秘密を知られたら好奇な目で見られるのは間違いないし、あわよくば自分もそうなりたいと思う野心家が近づいて来たり
自分の命を危険にさらしてしまうかもしれない。
ようするに注目されたくないのだ。
自称白魔術師のメルセデスは起きていても暇ですることがないからとそうそうにベットにはいった。
時計の時刻はまだ夜の八時である。
しかも彼女の平均睡眠時間がこれまた十二時間。
眠る時間が長ければそれだけお肌にいいのよ!
修行時代は平均四時間しか眠れなかった頃もあったんだから今こんなに寝ても人生の無駄にはならないわ!
彼女にいわせればそういうこじつけで毎日寝る前に自分と葛藤するようだ。
ベッドに横になるとすぐに深い眠りに着いた。
・・・・・・・グーグーグーー
「床にはいって0・05秒で眠ってしまうとはのび○くんといい勝負じゃのう」
!!!?ガバッ
飛び起きてあたりを見回した。
「空耳かしら・・・おじいさんの声がはっきり聞こえたけど。
まさか幽霊!?死後の世界なんてありえないわ〜!!」
「お主、ホグワーツ出身かつしろ魔術師の言う台詞とは思えないのお。」
声のするほうに振り向くとそこには派手な衣装を着た一メートル以上はあろうかという立派な白髭を生やした老人がいた。
彼はホグワーツ学園の校長、アルバス・ダンブルドアだ。
サ・サンタのおばけ!!あの世からのお迎え!?
ダンブルドアとメルセデスは初対面ではない。
実に十数年ぶりの再会だったがどうやら彼女は彼の顔を忘れてしまってたらしい。
彼は何時もと変わらぬふだんの優しい声で自分にむかって目をつむって数珠を持ちながら念仏を唱えているメルセデスに話しかけた。
「久しいのお、メルや。元気そうで何よりじゃ。」
「そう思うなら迎えにこないで〜!!」
「そうもいかん。お主の協力が是非にとも必要なのじゃ。」
「急にそんなこと言われても心の準備が出来てないの〜!!」
「そうじゃったな、こんな夜更けに手土産も持たずに失礼じゃッた。では、また明日で直すとしよう。」
「あ、明日ですか・・・解りました。」
「よい、返事がきけることを、アディオスアミーゴ!!」
火の気が無い暖炉に入り込み
「自宅!」
そういうとダンブルドアは緑色の炎に包まれて消えていった。
どうやらココに来た時も煙突非行で来たらしい。
メルセデスはサンタのお化けの気配がなくなったのがわかるとうっすらと目を開きあたりを見回した。
そしてパニ喰った口調で
「ど、どうしよう!明日にでもsupritsoulを持って行かれてしまう!!そうだわ!
ダンブルドア校長先生なら助けてくれるかも!!」
話がかみ合っていなくても結果オーライ☆に物語は進むようである。