魔法地下牢教室でハリーポッターの両親の話をスネイプから聞かされたメルセデスは多少興奮気味だった。
新たにヴォルデモートへの怒りのせいだった。
スネイプは魔法でティーセットをだした。

「無粋な場所だがお茶にしよう。
アールグレイが好きだったな・・・。」

「ありがとう、セブ。他のみんなは今頃ロックハートの授業を受けているのになんだか得しちゃっている気分だわv」

その頃まじめにロックハートの授業にでているグリフィンドールの生徒とスリザリンの生徒は籠の中から飛び出し暴走
したピクシー達を相手にしていた。
スネイプが魔法でだしたティーセットは普段は使わないであろう白く柄には細かい綺麗な細工がしてある。

「授業中だから菓子はださんぞ。だが私がお前に茶をだしたことをだまってくれ。」

「十分な口止め料よv」

メルセデスは紅茶の香りを楽しむとそれを飲み込もうとしたが一瞬目眩がし、そして意識が遠のいて床に倒れた。
紅茶がはいった器は床に砕け散り割れた音が薄暗い地下牢教室に響きわたった。





どれほどの時間がたったのだろうかメルセデスは見慣れないベッドの上にいた。

え、・・・今まで何をしていたんだろう?

頭の中で一時混乱したが記憶が一致したときメルセデスはすぐ自分の身体をみた。
服を脱がされた形跡はない。
特に自分が気を失っている間に体をいじられた感じもなかった。
ホッと気が緩んだがまた鋭く気を張りつめて当たりを見回す。
はじめの印象はさっぱりとした部屋だった。
本棚には難しい書物が並んでおり机には生徒のテストの問題用紙がつまれていた。
採点の途中だったのだろうか。
そしてこの部屋の主が誰であろうか瞬時にわかった。

「セブ・・・。」

呟くと扉がゆっくりと開いた。
振り抜くとスネイプがたたずんでいた。

「起きたか。ルチアーノ・・いやメルセデス。」

スネイプはメルセデスが横たわっているベットに近づき彼女の整った顔にそっと手をおいた。
スベスベの白い肌にスネイプの指がなぞる。

「抵抗はしないのか・・・。」

「・・・・。」

「私に怒りを感じているだろう。」

「今何時なの?」

「夜の8時だ。」

自分が気を失ってから約6時間以上たっていたのか。

「あれからどうしたの?」

「君が気を失った後私も次の授業があったからな。
しばらく教卓の下で君を隠して授業をしたさ。
君がいなくなって一時学年がパニックになり最後に一緒にいた私に容疑がかかったが君の昔の行いのせいだろうな。
別れた後見てないと言ったらミネルバも校長もまた君が気まぐれで散歩していると思い本気で心配していなかったぞ。」

大層な事をたんたんと話すスネイプにメルセデスは背筋が凍った。
頬に手をあてている手を払いのけた。

「どうしてこんなことしたの?」

疑問をスネイプに問う。
スネイプはまたメルセデスの頬に再び手のひらをあてた。
メルセデスはビッくっと身震いをしたが抵抗はしなかった。

「美しい・・・本当にお前は変わっていない。十数年。これからも変わらぬのか?
不死身らしいお前の体は50年もの時を刻むことなくこれからもこれからも・・・!」

メルセデスはスネイプの目から視線をはずすことはできなかった。
スネイプの黒い瞳に映る自分の顔を見た。そこに映っているのは

えいえいんにとしをとることのないおんな。

昨夜校長との話で泣いたせいか涙腺が緩みかけてて涙がでかけた。

「お前が我が輩の前から消えて色々周囲に変化が起こった。
我が輩はあがくだけで誰一人救えなかった。
負い目を今も感じている。
そしてお前のことも。」

「私?」

「我が輩は今でもお前を愛している。」

突然のスネイプの台詞に動揺した。
そんなの昔も今もスネイプの行動見ていたらあからさまにわかるのに何をいまさら。

「あの夜から!」

あの夜・・・ああ十数年前のあのことか。
確かにあれからスネイプ自身も制御しきれない求愛は始まった。
リリーとの間でジェームスは一番抱かれたくない男に輝いていたがスネイプは
死んでも抱かれたくない男ダントツだったのに・・・。
だんだんとメルセデスは冷静になってきた。

「紅茶に一服もって授業が終わった後気を失っている間に思いを添い遂げようとしたができなかった。
いざお前が私の手のうちに落ちた時急に怖じ気づいてしまった。
本当はあの夜のことを再現したかっただけだったのだ。
だが結局は長年の学園での生活に刺激を求めていただけなのかもしれない。
例のあの人がハリーポッターの命を狙っているという一大事に便乗してこんなことを
すまなかった・・・。」

何もかもあきらめた口調をはきだしたスネイプはベッドから離れようとしたがメルセデスの手に捕まえられた。
スネイプはメルセデスの顔を見ると先ほどの困惑した彼女の顔は無表情だが瞳に魔力が備わったように今度はスネイプの
瞳を離さなかった。
そしてメルセデスが声を発さない程度に少し唇を動かした。
スネイプはその唇の意味を理解すると彼女にもたれかかった。




翌朝メルセデスはフィルチやゴーストに見つからないように自室に戻り専用のシャワーを浴びた。
スネイプとの昨夜の事は紅茶一杯ではやはり口止めにしては軽すぎるので今後自分が夜中徘徊しても口出ししないように約束させた。
メルセデスは流れるシャワーの音を聞きながら壁に貼り付けている鏡に映る自分の容姿を見て呟く

「私はもう泣かないわ・・・。」

彼女の呟きはシャワーの音でかき消されたがメルセデスの心に深く刻み込まれた。





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