マイクロガスタービンコジェネレーション

私とガスタービンの出会いは、平成6年熱風による食品加熱機の開発に関し、島根県商工労働部からの補助事業でガスタービンを利用する方向で発熱した排熱エネルギーの再利用をテーマにしたことから始まった。
 当時松江工業専門学校の佐伯博正先生の指導を得ながら、NEDOを通じ通産省工業技術院のアドバイスで(前)日産自動車梶@宇宙航空事業部ガスタービン発電機担当の藤川泰雄氏と知り合い、いろいろ協力して頂いた。
藤川氏は現在ハネウエルターボチャージシステムジャパン鰍ノ勤務され、
M.G.Tの業界で活躍されている。
 現在日本のM.G.Tは国産ではトヨタ自動車以外は外国のM.G.Tが持ち込まれ、主にキャプストン・ハネウエル・エリオット他5社が紹介されており、日本のディーラー・メーカーと共同研究を行い、コジェネレーション化も模索されている。
 大手都市ガスメーカー・ボイラーメーカー・電力会社がテスト機を購入し、データを取りメーカーデータと比較しているのが現状である。
 私の見るところによると、M.G.Tは1kw12万円の投資でイニシャルコストが安く分散型発電としては理想的であり、部品点検はレシプロの100分の1と少なく故障しにくい等のメリットがあるが、熱交換機の耐久性が正確に解らない等の問題もあるようだ。又、コジェネをすれば80%近いエネルギー交換率を言われているが、コジェネをするとイニシャルコストが相当かかると言われ、熱の回収・利用の方法に一考を要すると思う。
 何はともあれ、2〜3年のテストの結果データを踏まえないと、機械の安定が解らないし、安心して販売できない。又機械メンテナンスの技能者の教育は普及のポイントとなると思う。
分散型発電ではM.G.Tに対比するのが燃料電池であり、これは家電メーカーが担当し研究しているが都市ガスメーカーのM.G.Tと家電の燃料電池とどちらが先に普及するか興味のあるところである。
私はかつてガス関連の仕事をしていた時、G.H.Pも初期は相当故障が生じに問題であったが、現在は完全に安定し、認知された機械となっている。向こう10年でM.G.Tも大きく普及されるものと信じている。
私のできる範囲でのM.G.Tへの関わりは、M.G.Tの特性をよく知り如何にメンテナンス要員を教育し普及するか、又熱風の有効利用の模索にあると思っている。例えば外食産業においてのM.G.Tの利用は当然考えられるが、その排熱は温水であるが一方熱風として食品残渣の乾燥で食品リサイクルに利用する方法もある。排熱利用は機械エンジニアとしての私の視点でもあり、研究テーマでもある。食品リサイクル法に基づく生ゴミ処理に利用したい。