バカ漫画 其之参拾八 | |
『ミュウの伝説』 〔小学館・少年ビッグC〕 (昭和60年 月 日〜 . . 昭和62年10月5日発行) 野部利雄 |
(C)野部利雄、小学館
バカ漫画 第38弾は、前回『飛べ!ファッキンバード』に引き続きましてエロです。 もうすぐ春ですねえ(特に他意はない)。 なんか、ちまたでは某J誌の『To LOVEる -とらぶる-』がエロいと評判なんだそうで。 連載直後にパラパラと斜め読みした時は、ちょっとエッチなドタバタラブコメ程度の印象でしたが。 グーグルさんで調査中、調査中……… ああ、なるほどね。 錬金場 【とらぶる 敏感な女の子とそうじゃない女の子】 マンガがあればいーのだ。 【男は黙って「To LOVEる」で】 ファンブログも色々とできてるようですね。善き哉。 ToLOVEる☆LOVE ToLOVEるな日々 ToLOVEる画像漫画 To LOVEる -とらぶる-考察 ToLOVEる 唯ブログ 確かに、『こんなの本当に少年誌でやっていいのか(笑)』的なエントリも出てますな。 【ToLOVEる-とらぶる-4巻感想 これは本当に少年誌コミックなのですか!?】 【矢吹先生は少年誌で描いてはいけないモノを描いてるんじゃねーの?疑惑まとめ】 私の頃は、月刊マガジンあたりが若年層のエロの需要に応える漫画を出してましたが、 やはり各世代にこういうの、ひとつふたつはあるんですね。 それより前になると、永井豪先生の『ハレンチ学園』や『あばしり一家』になるのかな。 ただ、『こんなの本当に少年誌でやっていいのか(笑)』とか言われると、 (この程度なら)別にいいんじゃね? とか思ってしまいます。 健全な男子なら、こういうの興味を持って当然ですし。 これが元で性犯罪が多発するマンガ脳みたいな事態が起きるなどとは考えませんし。 個人的に、もっとすごい漫画を知ってますし。 ……… その、もっとすごい漫画というのが今回のバカ漫画 です。
そのもっとすごい漫画が、野部利雄『ミュウの伝説』。 掲載されたのは、『少年ビッグコミック』です。 wikipediaを見て頂ければ分かりますが、元々は『マンガくん』という雑誌だったんですよ。 当初は、『エスパー魔美』や『球道くん』など掲載。後、『少年ビッグコミック』に改名。 あだち充先生の出世作『みゆき』や、新谷かおる先生の『エリア88』などが掲載されます。 この作品のストーリーとしては、古代ムー帝国の後胤であるミュウとその仲間たちが 闇の一族(インペリアル)の差し向ける刺客と、生まれ持った超能力を駆使して戦う話。 こういう巨大空中戦艦も出てきて、当時流行だったSFの風味もちょっとは入ってるものの、 基本的には剣と魔法の世界的なファンタジー&超能力バトル漫画だったんですよ。 女の子の超能力バトルものにありがちなお約束。服の破けるシーンもあるにはありましたが、 せいぜいこの程度だったんですよ。健全健全♪(そうか?) それが、7巻途中あたりから話は急展開。 というか大迷走。大暴走。凄いことになるのです。 闇の一族の幹部妖魔・カミュラが女司教シーラの身体を乗っ取り、 ミュウの親友の超能力者・フェアリィに、こんなことします。
ほとんどこれ、キルタイムコミュニケーションの二次元ドリーム小説の台詞ですよ。 (でも、これが掲載されたの昭和61年くらい。今から20年以上も前なんですよね) てゆうか、「最高の快楽 」なんて言葉、この作品で初めて知りました(笑)。 フェアリィを救った後、ミュウとカミュラとの戦いもこういうことに。れずびあ〜ん♪ ミュウはボーイッシュ、しかも「ボク」っ娘の妹(主人公の一人・ルイの妹として育てられた)ですよ。 そんな二人が、あれやこれやされるわけです。 当時、これだけの画力の人が、これだけ緻密な絵で、これだけハードなシーン描くなんぞ 全く考えられませんでした。当時の成年マンガも、あまり上手い人はいなかった中で、です。 この作品、連載途中で少年ビッグコミックが休載しまして(『少年ビッグコミック最終号』参照)、 それに伴い、この『ミュウの伝説』も、第一部「古代ラ・ミュウ編」を7巻で完結。 その続きが少年ビッグコミックの後を受けたヤングサンデーに引き継がれることになりますが、 想像するに野部利雄先生、少年ビッグコミックの休刊を告げられてブチ切れ、 開き直って好きなことやり始めたんじゃないかと。 (ついでに、その暴走を止めなかったということは、担当編集もブチ切れていたのかも) ちなみに、その少年ビッグコミック最終号に野部利雄先生のコメントが載ってまして
ということで、話は数千年後。現代に移って、第8巻。第二部「ネオ・ジェネシス編」へ。 主人公のミュウが神矢美悠(みゅう)として現代に転生しまして(当然、顔は全く同じ)、 恋人(後の夫)のルイも留偉(るい)、仲間のフェアリィも早見涼子として同様に転生。 闇の一族との最後の戦いに挑むわけですが、これが確かに「度肝を抜く展開 」でした。 何が度肝を抜く かと言えば、そのエロ表現ですよ。青年誌になったことで 野部利雄先生、エロ全開!! 全話通して触手の出ない話はありません。エロの出ないのは最初だけ。 乳首? んなもん当たり前当たり前。 それどころか、もはやシャレにならん表現まで出てきます。
転生した過去の記憶がない美悠を守るため、教育実習生として赴任してきた 早見涼子(フェアリィ)が、自らの持つムーの守りのペンダントを美悠に渡した瞬間…
当然、闇の一族との戦いも 具体的には、こうなるのです。
そして、現代に甦った闇の皇帝と美悠とのラストバトルも、こんなことに。
第一部「古代ラ・ミュウ編」(1〜7巻)の掲載は少年誌(少年ビッグコミック)。 第二部「ネオ・ジェネシス編」(8巻)の掲載は青年誌(ヤングサンデー)だったのですが、 単行本は『みゆき』『エリア88』と同じ、新書版の少年ビッグコミックスとして刊行されまして、 少年ビッグコミックでは全8巻。その内、7巻〜8巻がこうなってるわけです。 (復刻された小学館のワイド版全5巻では、アレなシーンは5巻に全部入ってます) 当時、少年マンガの棚に『みゆき』『エリア88』などと一緒に普通に並んでたんですよ。 1巻から6巻まで普通に読み進めて、7巻以降を読んだ時の衝撃たるや… もはや1〜6巻までの内容なんぞ木っ端微塵に吹っ飛んで、未だに覚えてちゃいません。 そりゃあもう、度肝抜かれましたよ。 それに… 度肝以外のモノも抜かれ(ry てゆうか、野部利雄先生、 あの当時は何度もホントに お世話になりました m(_ _)m ここは、矢吹健太朗先生も 野部利雄先生を見習って、 『To LOVEる -とらぶる-』の中で これくらいやらかしてくれれば… |
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