平成16年2月議会 一般質問 

 1.県道渡・余子停車場線の整備について

 境港市の県道渡・余子停車場線は、国道431と、県道米子・境港線、所謂、外浜産業道路と内浜産業道路を結ぶ半島横断道であります。
 昭和50年代から改良工事に着手し、JR境線の踏み切りについては、立体交差計画に基づき、14メートルの幅員化を図ったのでありますが、地権者の中に高架化に反対する方がおられ一部用地の買収がならないままに、今に至っております。そのため、現在も何箇所か、歩道が未整備のところが残っております。最大のネックである踏み切りは、片側で歩道部分が道路幅よりも狭くなった状態が続いております。


 工事の開始から30年近くを経て、この道路を取り巻く状況は大きく変化しました。
 昭和52年から始まった竹内団地造成工事は、諸々の経緯を経て昭和61年に完了し、分譲開始となりました。以来、早期分譲に向け、県も様々の対策を講じておりますが、本年2月末現在で、全体売却計画面積83ヘクタールに対し、売却済みが53ヘクタール、貸付地が8ヘクタールで併せて61ヘクタールという状況であります。
 しかしながら、この夏には、大型スーパー プラントが開店の運びとなり、目下その建設工事が進捗中で、これに伴い、未利用地22ヘクタールのうち2.5ヘクタールについて現在貸し付け交渉中であります。
 このプラント進出と、秋の江島大橋開通をはずみにして、竹内団地完売、活性化に向けた更なる努力が必要なときを迎えております。
 従来、竹内団地と中海圏を結ぶアクセスについては、トラックが中浦水門の重量制限に引っかかり通行できないため、国道431のコース、即ち、境水道大橋を渡って島根半島経由で松江方面に繋いでおります。
 その時間的、経済的損失を解消し、境港の港湾機能と中海経済圏を直結することこそ江島架橋の大きな目的であったはずであり、停車場線の整備も大橋開通に照準を合わせ推進されてしかるべきであったと思うのでありますが、知事はどのようにお考えでしょうか。また、工事の進捗状況並びに見通しはどのようになっておりますでしょうか、お伺いします。

 ちなみに、JR境線は、上下併せて日に50本走っており、この度の高速化で遮断機の降りる時間が長くなった上に、踏み切りと余子駅が至近の距離にあるため、JRの規則で、下り線については、列車が駅に入る前から遮断機が降りるのでさらに時間が長くなります。また、踏み切りの間近に県道に通じる市道が変則的に交差しており、遮断機がおりると、県道だけでなく市道からの車両の往来も制限され、非常に難易度の高い運転が必要です。境港第2中学校や境港総合技術高校の通学路にもなっており、この踏み切りの存在は、単に時間的な問題だけでなく、危険度においても際立った問題地点となっています。

 こうした現状の中で、プラント開店や江島大橋開通による交通量の増加を前向きに捉えつつ、今後どのような道路整備をお考えか、説明を求めるものです。



 2.中浦水門撤去について

  *撤去工法について
 農政局は、先の中海協議会で、汚濁防止膜で工事ヶ所を囲いながら船の上から砕岩棒で壊していくやり方を提示しました。
 その後、この工法の実施例について、私が問い合わせたところ、島根県平田市の十六島湾における浚渫工事の際、海底の岩盤を撤去した例が示されたのでありますが、この例は今回の中浦水門撤去とは工事の対象といい、規模の大きさといい余りにも違いすぎ、このままこの工法による工事という訳にはいかないだろうと思います。その後の推移をお示しいただきたい。


 そもそも、この水門を建設するときは、中浦水道を締め切り、中の水を排水干し上げをして陸地状にした上で施工されたわけで、工事中の写真を見ても、これが海中とは思えないのであります。
 それほど大掛かりな工事で建設したものを、今撤去しようとしているのでありますが、当時と比べて根底的に異なるのは、堤防の存在であります。今回の撤去工事は、建設時にはあったもうひとつの水流は締め切られた状態で、唯一の水流地点での工事となるわけですが、果たして工事中の治水面での安全性を確保する確たる工法というのがあるのか。先の9月議会に引き続き、確認をさせていただきたいと思います。

 同時に、現在4者協議会や小委員会において検討中である森山・大海崎堤防の取り扱いについても、この中浦水門撤去工事の安全性確保という観点からのアプローチも必要ではないかと考えるものですが、知事のご所見をお聞かせください。


  *工事への地元業者の参入について
 以上述べてきましたように、水門撤去工法について、未だ事業主体である農政局の方針も不透明な段階ではありますが、どのような工法をとるにしても、既に撤去することは決定しております。知事には、周辺地域と住民の安全を確保すべく、可能な限りの方策を追及していただかねばなりませんし、長期間にわたる工事に伴う騒音、振動、水質等への影響面からの考察も非常に大切であると思うのです。
 また、この工事ヶ所は、古来から言われておりますように、ちょっとした風向きの変化や風の強弱、温度、湿度、季節、雨などが微妙に絡まって即治水、水質に影響する微妙なところであります。こうした特殊性は、この間の高潮被害でも鮮明になりました。
 実際の工事にあたって、このような条件を見落とすと、一瞬のうちに取り返しのつかない事態もあるやに懸念するわけです。

 そこで、私は、この撤去工事の安全性確保という観点から、ぜひとも地域の実情に長けた地元業者の参入を図るべきであると考えるのであります。それも単に、農政局にお願いするだけでなく、工事契約書、あるいは工事発注書等に担保する形で、参入を保障するシステムを、島根県と共同で取組んでいただきたいと思います。ご答弁をお願いします。


  *地元負担金について
 去る2月17日の鳥取・島根両県知事会議において、撤去費用の地元負担について、片山知事は属地主義、澄田知事は水量割合を主張され、今後、実務者レベルによる継続した話し合いによって決定していくということでありました。
 干拓・淡水化事業事後処理のうち、懸案の堤防開削については、4者協議会や小委員会で本県の主張を実現すべく鋭意検討中であり、今後とも継続努力していただかねばなりませんが、この両県の費用負担の扱いもまた問題解決の大きなポイントであろうと私は受け止めております。これへの対応次第で、ことは大きく分かれると思うのです。

 堤防開削問題、ひいては大橋川拡幅問題へとリンクするであろうこの中浦水門撤去工事の費用負担について、改めて知事のお考えをお示しいただきたいと思います。



 3.児童相談所について

 先般の大阪岸和田市で発覚した児童虐待事件は、世間を震撼せしめました。その直後には、お隣の島根県でも、若い母親が我が子を虐待死亡に至らしめた事件が発生しております。
 我が鳥取県においても、ここまでには至らずとも多くの痛ましい事例が発生していることは誠に憂うべきことです。
 このような状況のなかで、児童福祉法、児童虐待防止法改正の動きもみられ、子供たちを守る公的機関として第一線を担う児童相談所のあり方が大きくクローズアップされて参りました。
 岸和田の児童相談所の所長が、涙ながらに記者会見する姿を見て、本県ではこのような事態にならないようにとの願いを込めて、質問させていただきます。

 本県の児童相談所の現況について、知事はどのように認識をしておられますでしょうか、お尋ねを致します。

 安田優子 一般質問

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