片山知事答弁 片山知事 答弁


 安田議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初に県道渡・余子停車場線の件でありますが、県としてこれまでの経緯をどう認識しているのか、今年中にも江島架橋が開通しますので、その江島架橋開通後の交通の変化をにらんで、この県道渡・余子停車場線にどういう影響があるのか、それから今日までのこの県道の整備の進捗状況と見通し、さらには踏み切りの問題などについて、県土整備部長から具体的にご答弁申し上げたいと思います。


 次に中浦水門の撤去についてでありますが、この水門の撤去工法、これは国営といいますか、農水局が事業主体になられますので、農政局が責任を持って決められるわけではりますけども、それに対して県としてどういうふうに認識しているのかにつきまして、農林水産部長からご答弁申し上げます。
 それから、安田議員がこの水門の撤去の安全性についてお触れになり、その際に、中浦水門をつくる時には 干しあげ をしてつくったが、今回は水中にある工作物を海面から撤去するということで、それが本当に安全なのかというご指摘でありますが、本当に今回も例えば森山堤とか大海崎堤を開削をしていて、それもかなり開削がされていて、そちらの方で中海の水流が維持できるということでありましたら、別の工法も可能なんだろうと思います。それはコストとの兼ね合いもありますけれども。ただ、現在までの経緯から言いますと、まだ森山堤と大海崎堤をどうするかというのは方針が決まっておりません。我々は開削をしてもらいたい、すべきということを主張しておりますけれども、これは別途のところでかかるべき知見にもとづいて、国それから両県の関係者で話し合ってみましょうという事になっておりまして、そのタイミングから言いますと、中浦水門の撤去の方が先になる。これは先ほどおっしゃってた江島架橋が今年中にも完成するという事もありますし、それから、中浦水門の維持管理には相当コストを要しております。県も島根県とともにかなりのコストを毎年払っておりますけども、そのコストの観点から考えて、できるだけ早く用途を失ったものは撤去したいという方針が決まっておりますので、今、 堤防開削が先だと言っても、これはなかなか始まらない話でありますから、現状の条件の中で撤去を進めなければいけないという制約が農林水産省にはあるということは、我々が理解しなければいけないと思っております。それらも含めて水門の撤去工法、安全性につきまして農林水産部長からご答弁申し上げます。
 それから、その撤去工事を進める場合に地元の現場の気候とか風土とかそれから気象とか、色々な事をよくふまえていたほうが良いので、ぜひ地元の業者の参入を、との事でありますが、これは私も同感であります。賛成であります。従ってぜひこれは事業実施主体であります、農林水産省、農政局のほうに要請をしたいと思います。安田議員は単なる要請とか働きかけとかでなくて、きちんと決めるべきだとおっしゃって、気持ちはよくわかりますが、やはり事業主体は国でありますから、こちらで決めるという訳にはいきません。もちろん直轄の事業ですから県も相応の負担を出しますので、それなりの発言力(高速道路の新直轄方式と同じように)、ある程度の発言力はあるとは思いますけれども、あくまでそれは資金負担、費用負担の一部をまかなうという事でありまして、責任を持って事業を行いますのは政府でありますので、政府に、その事業主体に、我々地元の要望というものをちゃんと伝えてまいりたいと思います。
 その撤去費用について、鳥取県、島根県それぞれの主張が違うということで、あらためてどういう負担割合でやるのかということでありましたが、これは先般2月17日だったと思いますけども、米子で島根県の澄田知事他関係部長、それから鳥取県 私以下関係部長集まりまして、色々な両県に共通の課題、問題点について、意見交換を致しました。久しぶりに両県知事会議を行いまして、本当に率直に色んな問題について議論致しました。その中の一つにこの中浦水門を撤去する際の両県の負担割合について議論を行いました。
 ただこの問題については、トップ同士で今まで一度も正式に取りあげて両者の主張を述べあったことはないものですから、まずは率直に言いたい事を言うというと語弊があるかもしれませんが、お互いの主張をはっきりと相手に述べようではないかということで、この問題についてはそういう事から始めました。それで、私の方はかねてからこの議場で申し上げておりますように、属地主義が一番望ましいという考え方を申し上げました。それは、事業としては淡水化計画、干拓事業、そういう事業として行われてきたわけで、それなりの負担割合を決めてやってきておりますけれど、これがもう目的を失い、そしてその中で用途を失った施設を撤去するということになりますと、これは県境というものが既にある訳でありますから、事業を始める時には、県境はありませんでしたけども、既に県境がある訳ですから、その県境でもってお互いの費用負担をするということは、一番合理的ではないか、という事を申し上げました。島根県知事の方は、これは確かに用途廃止して壊すんだけども、これは中海、宍道湖の淡水化及び干拓事業の中で構築してきたもので、それを用途廃止して壊す時も一連の問題としてとらえて、同じ費用負担で両県が負担すべきではないか、という事をおっしゃってました。
 これはどっちが絶対的に正しくて、どっちが間違っているというものではないと思います。私も主張しておりまして、これが100%正しくて、万人が認める説だとは私も必ずしも思っておりません。島根県知事のおっしゃる事にも一応の理屈があると思います。島根県知事も私の主張がある程度の理屈があるんだろうな、と思っておられるんだろうなと思いますが、いずれにしてもその時点で、「わかりました。あなたの言う通りです。」というふうにならないのは当然でありますし、それから、お互いにその場で妥協点でこうしましょう、という事もありませんでした。2月17日に両知事が述べあった事を基点にしながら、これからどこまで両県が歩み寄れるかということ、それをこれから進めましょうという事にした訳であります。それは、どういう事をポイントにしてこれから話し合うかというと、お互いの主張というものがかなり開きがありますから、今後はこれまでの事業をやってきた経緯、それから県境を引く前と後の事情の変更、その経緯、そういうものを当然勘案しなければいけませんし、それから安田議員も重要な事に触れられていたと思って私も伺っていたんですが、これは単に中浦水門の費用負担を決める、それで全部終わりではなくて、おそらくは、これから起こってくるであろう大海崎堤とか森山堤とか、特に干拓事業としてつくった堤防ではなくて淡水化のためにつくった堤防を開削するといった場合に、この費用を誰がどういうふうに負担するのかということが当然出てきますので、そういう近い将来起こるであろうことをにらみながら、この費用負担というのは相談しなければいけないと思います。そんな事も2月17日の両県知事会談では出た訳でありまして、これは本当に率直にそして誠意を持ってお互いに相談しましょうという事にしてます。これは先ほど触れられたかと思いますが、中海の協議会、今、両県の副知事をキャップにして、国の関係機関も入ってもらった協議会がありますけども、そこで決めることではないと、私は思っています。既に、国と地方との関係というのは決まっている訳です。地方で負担するものを両県で決めていくという作業になりますから、これは両県2県間の問題になります。私は、2月17日の会談が終わった後の記者会見でも、これはぜひ2県だけで決めたい、国の手をわずらわせるという事はないようにしたい、とこういうふうに申し上げました。島根県知事も基本的には同じ考えでありますけども、「できれば国の手をわずらわせたくない」という若干の温度差が2人の間にあったと、私としてはおもいましたけども、基本的には両県で決めたい。それは、分権の時代でありますから、地方が払うべきものをまた国の行司役でも引っぱりださないと決まらないというような、そういうことにならないように、両県が責任を持って決めたい。しかもタイミングを失しないで決めたい。そう考えているところであります。


 児童相談所の件でありますが、これは色々な所で色々な事件が起きておりまして、本当に心を痛める訳でありますし、ぜひああいう悲惨な事が本県で発生しないようにと、願っている訳でありますけども、本県でもああいう事例は出てないですけども、相談案件が急増してるということは、まぎれもない事実であります。本県だけが例外ではなく、全国と同じようにDVだとか児童虐待の実態というのは広がっていると、認識せざるを得ない事態であります。
 そういう中で児童相談所の相談件数が増えて、その対応が迫られている訳であります。職員、関係者は一生懸命日々その仕事にあたってくれていると思っています。それに対応して県でも児童相談所の体制の充実強化にもつとめております。スタッフを充実する、スキルアップをはかる、モチベーションを高めるという事をやっております。まだまだ充分だとは思っておりません。まだまだ途上にあると思っております。これからもその充実強化につとめてまいりたいと思っております。
 色々課題もありまして、一時保護を要するケースも随分増えておりますけども、その一時保護をする場所っていいますか、機関・施設というものが必ずしも充分ではないという実態もあります。それから、市町村の役割が私はこれから大きくなると思います。特にやはり皆さんの地域の身近な行政機関は市町村であります。特にDVとか児童虐待とか、なかなか表にあらわれにくいものというのは、これから市町村の役割が増えてくると思います。その市町村との連携をはかること、これなども課題だろうと思います。いろんな課題を抱えておりますので、これから一つ一つ解決して、問題解消するようにつとめてまいりたいと思います。具体的な現況等につきましては、福祉保健部長の方からご答弁を申し上げたいと思います。



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