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孟生てくてく句会

一月
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15年てくてく句会出句
旅の涯見下ろす富士の雪けむり


大挙して神を信ぜむ初詣
二月
白梅や丁寧に剃る鼻の下
白梅やひそと咲き初む土蔵裏
味自慢蕗の董味噌母と妻
初春やみごもる姪の笑み仄か
三月
屋根伝ふ猫の足取り春めける
春雲やたちまち浮かぶ旅心
別れむと差し出す右手冴返る
四月
花に酔ひ人波に酔ひ酒に酔ふ
花吹雪イラクの地図を覚へけり
舞ひ上がりやがてみるみる花筏
五月
挨拶や五月雨傘を傾げつつ
痩せねばと云ひつつ粽五つ解く
試練かな稚鮎跳ねては流さるる

六月
紫陽花や朝に見昼見夕にも見
蟹股で押すリヤカーや枇杷熟るる
誕生日六月出句締め切り日

七月 
  降りしきる雨や青柿落つる音
 胡瓜もむ節くれだちの農婦の手
 風呂上りいま飲み頃の梅酒あり
八月
  掃苔や父より古ぶ父の墓
 朝顔の観察日記果つる朝
 顔揃ひ切子灯籠灯し初め

九月
降り止まぬ雨や雨雨稲穂垂る
台風や我が家二重の円の外
無花果や皮薄ければ皮も喰ふ
十月
黒雲や新米盗む日本人
薄紅葉選挙の迫る街の隅
踏み給へ散りて重なる柿落葉
十一月
初物の至福の美味さ松葉蟹
膝抱けばぶなの枯葉のささやけり
日暮るるや山茶花の白ほとばしり

十二月 

逢ふたびに問はずもがなの風邪の声
咳がまんしきれずうしろ振り向けり
枯蓮や歯抜けの笑顔雲と消ゆ