北には青く広がる日本海、南には中国地方の秀峰・大山を望む自然と身近な土地でございます。
地元の自然からのおいしい恵みを尊く思い、地元で採れた米と大豆を使うことを重視しております。
材料は昔ながらに、米・大豆・塩のみ。
数ある種もやしの特徴によって、性質・味・質感が変わってくるのですが、独自に配合して味を決めています。
おいしく、力のある糀になるために、四日かかる仕込みの間、温度管理と糀に手をかけるタイミングを見計らい、大切に育てています。
製造工程では、自然の時候のままに糀の持つ発酵力だけで熟成し、素材の甘味・うまみ・香りを引き出す。
これぞ、天然醸造の生みそ。
また、出荷時にも熱処理等で発酵をおさえておりませんので、生きた味噌・生きた酵素も一緒にお手元にお届けします。
米を洗い浸漬する。
気温・水温等により浸漬時間を加減します。
水を抜いてうむす。
気温・水温により水を抜く時間を調整します。
米の状態によっても水分の加減に気をつけます。
蒸した米に種をつけ床箱という木の箱に入れ、水分量を均一にならします。
夕刻、床箱の米を撹拌します。(床もみという作業)
2日目はみそ造りのための大豆を洗い浸漬します。
製麹3日目の朝、床わけ(とこわけ)という作業です。
米の状態をみたり、空気の熱量を感じながら湯をうちます。
粘りの強い米の品種や新米は、米同士の塊が出来やすい(これも水分の加減で変動)。
塊があると米1粒1粒に菌が入っていきにくいので、塊をなるべくつぶしバラバラにします。
15斗(約255kg)の米が3つの床箱に並ぶ。
その後、もろ蓋という木の箱に升を使って移していきます。
米の状態や、室温・気温などの状態により盛り具合を加減します。
日中 糀の様子を感じ温度の調整を行い糀のお世話をします。
室(糀の部屋)に入った瞬間、香り・湿度・熱量・酸素量など糀の状況が詰まっています。
ここまでの米の過ごした様子を振り返りつつ次の手入れまでの糀の予測を感じもろ蓋のずらし具合を加減します。
ある程度の温度は必要。冷えるとシーンと静かです。まるで冷凍庫に入った食材の様。
温度を確保したその後、糀が自ら発熱を始めます。
そのまま熱が出すぎると自分たちの熱でお疲れの様子になります。
人が風呂でのぼせるようなイメージです。熱が出すぎないよう冷めない様に手入れをします。
米の品種や保管状態、稲作地などにも、熱に強い米・熱が出やすい米など、人の性格のように特徴があるようです。
日中に、3回程度、この時・この時で生きる糀にタイミングを合わせ手入れをします。
製麹3日目の夕刻、並び方を変えてこもをかぶせます。
こもは、稲のわらを編んだものです。
稲わらの中は空洞です。空気の膜ができ、湿度と温度を守ってくれます。
一部は自家製造のこもを使っています。
昔の道具を参考に、こもをあむ道具を再現しました。
糀づくりで稲わらに出合い、米づくりを始めて、稲に出合い。稲に出合い、稲から拡がる活用法を実感しました。
稲の活用はおもしろく 土地のちからを感じます。
“すくも(もみがら)”は次の稲作の肥料へ
“ぬか”は糠床へまた肥料へ
“稲わら”は、こも・ござ・しめ縄・よりひも・燃料・蓑(雨具)・草履などでしょうか。
わらは飼料にもなり家畜のフンはたい肥となり田畑へ。
先人の知恵と技術により稲作と密接に生活を営み、この土地で生きる暮らしと可能性を感じます。
芯がとれるように整えます。
4日目の出来上がりの米糀。
伸びた菌糸で糀がしまっています。(一度に140〜170枚分の米糀ができます)
甘酒やするめの糀漬けに利用するときは、手でほぐして使います。
みそ造りには製麹機による糀も時々使います。
蒸した大豆を量り、適度に冷まします。
米こうじ・蒸した大豆・食塩をまぜ樽に詰めます。
空気を抜くように詰めます。表面を平らにならし表面に塩を振ります。
半年〜8ヶ月ほど寝かせた後、「みそくり(天地返し)」を行います。
空気に触れやすい桶の上部と、空気に触れにくい下部を混ぜ、数日後出来上がりです。
米は米として無く、大豆も大豆として無く、塩も塩を作って下さった方がおられます。
目には見えませんが、何人もの作り手が重なった確かな熱量が詰まっています。
木材や道具の支えも感じています。
自然に生かされ、つながり拡がる、体に響くみそ造りを作り手として向き合っていく所存でございます。
熟成段階が短めの軽やかなみそを使用。酢・本味醂・砂糖を使い、まろやかな酸とふくよかな甘み。
ピーマンと米こうじ・醤油・砂糖で炊きました。辛いピーマンを使い、辛さが刺激的。米こうじと醤油の醸造した時がもつ伸びを探求。
生姜と米こうじ・醤油・砂糖で炊きました。生姜の辛みと甘醤油のたれとめりはりを意識しました。
みそ・砂糖・酒・みりん・ゆずで炊きます。米こうじの甘さを感じる名和みそが、まろやかにゆずの香りを包みます。
味の濃い“大山こいみどり”大豆を使用し、よく熟成させたみそを使用。にんにくとみそが混ざり、足し算ではない掛け算の味が拡がる。酸味・甘味・深み・余韻…。