09/08/30
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稲束を集めて稲架にかけます 半日掛かり無事終了 後は天日で乾燥させます

9月下旬

米作りの数あるイベントの中で、やはり稲刈りが辛くはあれど最も満足感があります。大地と繋がった稲を一株刈り取る毎に、それまでの苦労が一つずつ薄らいでゆきます。
 おいしい米作りの仕上げは籾米(刈り取った稲)の乾燥にあります。古くから受け継がれた稲架に架け、20日間ほど天日によりゆっくりと時間をかけて干します。これで透き通ったつやのあるきれいな米になり、一口食べると違いがすぐに分かります。

「田舎遊び」の中に、ただ遊びを追求するだけでなく、生産性を持たせることはとても大切なことであり、また里山の荒廃を防ぎ、集落の維持に少しでも役立てようと考えるなら、米作りをおいて他にありません。ここまでは表向きですが…稲を育ておいしい米を作り、それをもとに田植え祭や稲刈り祭、収穫祭・・・をみんなで遊ぶという楽しさのほうが大です。こちらが本音です。
ここでは楽しんでやる米作りを紹介したいと思います。


米作りのイベント
月 日 イベント名 内 容 実施日
3月末 水路清掃 昨年の落水よりたまった落ち葉や土砂を取り除く 2009 3/29
4月 草焼き 畦の枯れ草焼き 2009 4/19
4月 堆肥投入 有機米作りには欠かせません 2009 4/29
4月末 田起こし ゆっくりと深耕し底の土を空気に触れさせます 2009 5/4
5月中 代かき 土と水をかき混ぜ田植えに備えます 2009 5/25
5月末 田植え 総出で手植えをしますが、狸には手伝わせません!? 2009 5/31
4月〜稲刈り 草刈 少なくjとも月一回の草刈が必要です  2〜3回実施
6月中 中干し 丈夫な根を作るため少しの間、水を与えません    2009. 7/02〜7/06
4月〜稲刈り 草刈 この時期の草刈は害虫予防に欠かせません  1回/月
8月末 落水 後の作業をしやすくするため田を固くします 2008 8/23
9月上 稗取り 稗は稲より背が高いので目立ちます 2009 8/23
9月末 稲刈り 手刈りし稲架に架けるため沢山の人手が必要です 2008 9/28, 10/5
9月末 稲架かけ                〃 
10月中 稲こぎ 田圃まで脱穀機を持ち込んで稲こぎです 2008 10/12、19
10月中 籾摺り おいしい天日干し米がもうすぐ食べられます 2008 10/13、20
11月 収穫祭 餅つきや芋煮会でみんな大満足! 2008 11/9
水路清掃
2008/3月の清掃開始 落ち葉や枯れ木で埋まった水路 清掃後はきれいな水が見えます

3月下旬

源流田での米作りにとって水路は生命線とも言えます。
1kmほど上流から急な山肌を縫って掘られた水路は、
土砂や落ち葉、朽木などが流れ込みその量は、前年8
月の落水以来相当な量が堆積します。それをスコップ
や鍬で取り除く際に決まって現れるのが沢蟹です。本
来なら即御用ですが、今日はその御用意がありません。
水路清掃が終わり、きれいな水が流れるのを見るとな
ぜかうれしくなります。・・・無事終れば山菜取りが待っ
ています。

稲刈り
初めての(2005年)米つくりは、肥料を全く使ってないにも関わらず立派な米が沢山採れました。これは数年間耕作をしなかったため、枯れ草が堆肥化したためのようです。でも2年も肥料を使わないでいると地力が落ちて収量に影響します。化成肥料に頼らない「田舎遊び」の米つくりとしては堆肥が欠かせません。即効性はないものの長期間ゆっくりと稲を育ててくれます。また空気中の窒素を根粒菌で取り入れるといわれている蓮華草も一役買っています。

4月中〜下

軽トラで搬入(2007)

蓮華の花で埋まった源流田

重すぎてはまった運搬車(2008)

収穫祭(2008.11)

5月/中〜下

田植えは手で植えるのが一番です。田植えを機械で植え始めたのはつい最近のことです。米作りの歴史の中ではほんの一瞬でしかありません。機械で植えた米はどことなくおいしくありません(感覚の上で)。おいしい米を食べたい田舎遊びとしては手植えにこだわっています。
 その手植えの方法はライン引きで碁盤目状に線を引き、碁石を置くように苗を植えていきます。この方法は線を引く手間はありますが、自分のペースで進めるため、一定の間隔に印をつけたロープに横一列に並んで植える方法より結果として効率が良いようです。

一度に8本のラインが引けます

まっすぐな線引きは難しい

皆いっせいにスタートです

速い人はもうゴール!

大人も尻餅!ましてや子供は

終了後水をたたえた水田

田植え
草刈り・取り

田押し車での除草

危険を伴う斜面草刈り中の岩魚くん

完全武装の種ちゃん

ベテランの域に入った大さん

「草取り」には田押し車を使います。「田押し車」は箱船の真ん中に長さ5cmほどの爪の付いたローターがあります。1連と2連があり、2連は二つの箱船の間に稲株が来るようにして共に押して歩きます。これを行う時期は田植え後1ヶ月程して田の草が目立つようになった頃です。草を取るというよりも田押し車を押して歩くことにより、草を泥の中に押し込むというのが実体です。しかし世間一般では除草剤を使う為「田押し車」を全くといってよいほど見かけません。田舎遊びとしてはこの除草剤を大幅に減らしています。それ故、田の草が出てくるのは止むを得ません。この田押し車で歩くことは除草以外に大きな意味があります。泥をかき混ぜることにより土中のガス(有機物の腐熟により発生する有害なもの)を抜き、根に酸素を与え丈夫な根を作ります。
また草刈にはエンジンつき草刈り機を使用します。畦畔の草刈は月に一回行う必要があり、米作りの中では大変な作業です。源流田は山奥にあるため畦畔が斜面となっており、かなりな広さがあります。その斜面の草刈は平地と違い危険を伴います。そしてこの草刈をこまめに行うことにより、なんと害虫の発生予防に、そして中山間地で田圃を荒らす猪の侵入防止にも役立ちます。
でもそんなことより機械で草をバサバサ刈っていくことはおもしろいんだなあ。

10月上旬

稲こぎ
籾摺り

10月中旬

「稲こぎ」は稲刈り後稲架(ハデ)に掛けて十分に乾燥させ、軽くなった稲刈り束を籾米と藁に分離し籾米を袋詰めにすることです。籾米で保存すれば品質低下が少なくおいしい米が長期間食べられます。今はコンバインで収穫するため稲こぎをする人などほとんどいませんが、田舎遊びでは復活させました。この藁で昔は荒縄や筵(ムシロ)、蓑(ミノ)…などをつくり生活に利用していましたが今のところ焼却するしかありません。ところでもうあと少しでおいしいお米が食べられるんだなあ。

この脱穀機は灯油で運転する年代物

1束ずつ脱穀機に挟み込ませます

落穂拾いに余念がない岡さん

間違っても手を入れてはいけません

出てきた藁をもう一度チェック

不要なった藁を燃やします


稲刈り後、稲架(ハデ)に掛け自然乾燥し稲こぎをした後は籾米として袋詰めします。籾米は例えるなら厚い殻をかぶったピーナッツです。その殻の籾殻を取り除くのが籾摺りです。籾殻を取り除かれた米は玄米となり米糠をかぶったままです。玄米は皆さんが普段スーパーや米屋さんで目にされる白米と違って黒ずんでいます。最近の健康志向で玄米を混ぜて食べる方が増えましたが、一般的にはこの後精米機にかけて糠を取り除きます。米つくりの長い工程も終わりに近づきました。後少しでおいしいご飯が食べられるぞ。

籾米をホッパーに落とし入れます

小刻みな振動で米選します

玄米が自動計量機に落ちていきます

30kgずつ袋詰めされます