病院給食における生産性アップ

 病院の栄養士の仕事は栄養管理と給食管理に分けられるが、現実給食管理は現場の調理師に任せられており、給食依頼業者にアウトソーシングされているのが現状である。しかし、現在病院の給食に対するニーズは特別食・適時適温を始め、選択メニュー・オーダー・メニュー等品種は多くなるばかりである。
 その解決策として中村先生の成分栄養より生産性のよりよい海流をされているが、病院経営者,医師側の要求は強まるばかりである。給食の要であり、病院関係者の窓口である栄養士は、給食管理のプロが少なく、病院側の要求と調理現場の責任者のいう現実とに挟まり、身動きがとれない。相当キャリアのある栄養士のみがその役割を果たしているのが現状で、若い栄養士がなかなか育たない。
 そこでコンピューターを巧く駆使して栄養管理と給食管理の両方を両立する方法が考えられだした。数多くのコンピューターメーカーが献立ソフトを提供している。しかし多くのコンピューターメーカーのプログラマーは栄養士と話し合いを持ちプログラムを作り上げているので栄養管理面では相当進んでいるが、一方の給食管理は栄養士の関心も薄く、又その能力も劣っているため、厨房の生産活動におけるノウハウがプログラマーの所に届いていない。従って多くの給食献立プログラムの中には厨房の生産性を向上させるようなシステムが組み込まれていないのが現状である。私は元々食品工場の生産畑出身なので、食品工場に比べ厨房は余りにも生産性が悪い。増してや病院の生産性の悪さは特別である。
 1日2380円を頂く病院給食の多くは赤字を出しているが、アウトソーシングで貧しい給食内容に甘んじている。何とか病院給食の厨房の生産性を向上する方法はないのか。

そのキーワードとして
1) 特別食の展開方式。
同一献立だが、その素材の一部,量を変えることにより、栄養価を変える。又味付けを変える。即ち、スタートは同一メニューでも出来るのは多品目にする。これをコンピューターで簡単にシミュレーションする。
2) カットヤサイ等、半加工品を巧く使用する。
3) 調理冷凍食品をそのまま出すのではなく素材として用い、味付けに工夫を凝らす。
4) 最新式の調理機器を、例えばコンベクションオーブンなどを用い使いこなす。
5) 調理をマニュアル化することによりパートでも高度な調理が出来るようにする。
6) クックチルを用い献立による換価の最大ピークをカットする。又前日調理を衛生的にこなす。
7) 配膳を考え直す。
集中配膳により分散配膳とし、食堂配膳に切り替える。
8) メニューの種類を少なくすると共に、同9) 一料理を作るたびにおいしくするスキルアップを図る。そのためスキルアップのためのデータ収集を図り、料理を科学する。