アトピーとは・・1923年にCocaとCookeが「喘息とアレルギー性鼻炎が家系的に発生すること、およびこの両疾患の患者血清中に疾患の原因物質に対する抗体レアギン(IgE抗体)が存在すること」と定義しています。ギリシャ語「通常とは異なる」との意味です。
アトピー性皮膚炎には、このアトピー素因(気道アトピー)によるものとそれ以外(乾燥肌など)によるものとがあります。
日常生活のスキンケア |
1.肌着は肌触りのよい木綿製品を選ぶようにしましょう。化繊やウール、フリースなどで肌が痒くなってくるものは避けたほうがよいでしょう。
2.洗濯時の漂白剤や柔軟剤は化学薬品です。これらが衣服に残って白くなったり、柔らかな着心地となります。肌に密着することにより痒くなったり、湿疹がひどくなることがあります。使用に際しては注意しましょう。洗濯糊も衣服に残ればかぶれの原因になります。洗濯時のすすぎはしっかりしましょう。
3.皮膚の清潔を保つためには、毎日の入浴は欠かせません。但し、お湯温度はぬるめとし、多少汗をかく程度(5〜10分程度)長く入って下さい。お風呂での汗は潤い成分を含んでいます。
4.石鹸の使用について:乾燥肌の方は、石けんを使わなくてもお湯だけで汚れや垢は十分落ちます。固形石鹸やボディソープなどの使い過ぎや、ナイロンタオル等でゴシゴシ擦ると皮脂膜を傷つけますので、痛んだ皮膚面には用いないようにしましょう。どうしても使用したい場合には石けんをよく泡立て、素手で撫でるようにつけ、擦らずに洗い流すようにしてください。頭、顔、耳後部、脇の下、外陰部など汚れが気になる部位へのスポット使用もよいでしょう。尚、ベビー石鹸は一般的に赤ちゃんの油汚れを取り除くために脱脂力が強くなっていますので、乾燥肌の場合には使用を避けた方がよいでしょう。
5.食物アレルゲンと環境アレルゲン:乳幼児では食物アレルゲンにより全身反応としての湿疹が体全体に生じることがあります。その場合にはアレルゲンの検索と除去食(母乳であれば母親の食事制限)が必要となります。 10歳前後になれば食事アレルゲンの影響は軽くなり、環境アレルゲンが悪化因子の代表となります。花粉やハウスダスト、ダニ、カビなどへの暴露により皮膚炎が悪化することがあります。しかし、やみくもにアレルゲン検査を行って、それだけで判断するのではなく、実際にそれらで悪化するのかどうかを確認する必要があります。
6. 季節性:夏は発汗により悪化することが多いようです。お風呂での汗はあまり問題となりませんが、運動時の汗は肌に残ると汚れと相まって痒みを悪化させます。できるだけ速やかにシャワーや濡れたタオルなどで汗を拭き取り、新しい肌着に着替えましょう。春や秋は、温度変化や乾燥、皮膚に触れる様々な物質(花粉や黄砂など)の影響を受けやすいので、外出後は顔や頚部など露出部に付着していると思われるこれらの物質を洗い流して下さい。冬は、乾燥による悪化がほとんどです。部屋の乾燥を防ぐため、加湿器や観葉植物などを置くのもよいでしょう。就寝時のコタツや電気毛布なども、痒くなる場合には使用しないでください。
7. ストレスなども見落とせない悪化因子ですので、心のケアも必要になってきます。
8. 軟膏療法には肌の潤いを保つ保湿(スキンケア)と生じた皮膚炎の治療があります。詳しくはアトピー性皮膚炎の治療に精通したお医者さんに相談して下さい。
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