PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)                                    
PMTCの目的
         細菌バイオフィルムとは、病巣局所において細菌が産生した菌体外多糖
         (グコカリックス)からなる粘液状の鎧(隠れ家)の中で細菌がコロニーを形成
         した状態をいいます。
         バイオフィルム感染症に対する治療の原則は、局所環境の改善と細菌バイオ
        フィルム自体の機械的除去
であり、抗菌剤などによる化学療法は慢性期には
         著効は認められず適応でないとされています。
         最近の知見では齲蝕発生に大きく関与するミュータンス連鎖球菌とグルカンとの
         関係や、歯周病の原因となるプラークの形成メカニズムの一部もバイオフィルム
         感染症の病態概念に相当すると考えられています。
         したがって、PMTCをはじめとする機械的なプラークコントロールは、このバイオ
         フィルムを破壊する行為といえます。
         この考え方からすれば歯肉縁下のプラークを探針やその他の器具でかき回すだけ
         でも細菌層を壊すという意味では効果があるかもしれません。
         一方、抗菌剤によるポケット内洗浄や洗口などの化学的プ
         ラークコントロールは機械的なプラーク除去との併用が不可欠であり、プラーク再
         形成抑制のための補助療法と考えるべきでしょう。
                                          

方法・手順
         PMTCは以下に示すような基本ステップにそって行うことがもっとも望ましいですが
         歯周病治療時におけるPMTCなどのように、場合によっては各項目で単独に行う
         こともあります。

          1.研磨ペーストの注入または塗布
          2.隣接面の清掃・研磨
            患者の口腔内の状態に合わせて選択し、歯の近心、遠心に確実にフィットさせ
            てから作動させる。
          3.頬舌側面、咬合面の清掃研磨
            コントラアングルにヤングプロフィーカップ及びブラシを装着して、頬舌側面、咬
            合面を清掃、研磨する。隅角部の歯肉縁下及び歯頸部歯肉縁下まで出来るだ
            け到達させて、清掃、研磨する。
          4.歯面及び歯周ポケット内の洗浄
            スリーウェイシリンジを用いて口腔内に残った研磨剤を十分に洗い流した後に
            歯肉構内及び歯周ポケット内をイソジンシリンジで洗浄する。
          5.フッ化物塗布
            二次齲蝕や知覚過敏、根面齲蝕の予防としてPMTCの最後にフッ化物(ホーム
            ジェル)を塗布する。


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