ワールドカップに腰くだけ

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主の御心

…2002年6月1日

教会でも初戦を中継  イングランド

幸か不幸か、イングランド代表の初戦は日曜の朝である。
平日だったら企業や役所は大量の欠勤を覚悟しなければならなかっただろう。
今、頭を抱えているのは教会の牧師さんたちだ。

ロンドン東部、クラークンウェル地区にある聖ジェームズ教会。会堂に横3メートル、縦2メートルのテレビスクリーンが運び込まれた。
2日午前10時半(日本時間同日午後6時半)、イングランド対スウェーデンの試合がこの画面に映し出される。
日曜礼拝はいつも通り11時から。いったんテレビを止めるが、礼拝は短く切り上げる。信者たちは結末を見逃さずにすみそうだ。

「信仰よりサッカーが大事、などと誤解されては困る。でも、誰もが見たいのだから。」
と、教会に勤めるティム・サムズさん(23)。

この日の礼拝を試合前、あるいは後へずらす教会も多い。
何せ英国国教会の最高権威、カンタベリー大主教がお墨付きを与えたのだ。
「4年に1度のことじゃないか。」
サッカーファンの大主教は先週、時間変更を大目に見る発言をした。

1次リーグ第2、3戦は平日。
ある調査では、大会期間中、イングランドの試合日の欠勤率は16%に達する見通し。
決勝トーナメントへ進むと、生産性低下で英国経済は32億ポンド(約5900億円)の損失を被る、と大手信販会社は予測する。

テレビ観戦も大勢の仲間と応援するのがイングランド流だ。1杯やりながらでないと調子が出ない。男性の6割、女性も4割がジョッキ片手だ。
だから、集合場所はパブである。最近、英西部ブリストルのパブの早朝営業を裁判所が認めて以来、開店時間の繰り上げを求めるパブが相次いでいる。英国内にある5万4千軒のうち、3万7千軒が特別許可を申請する見通しだ。

ロンドンの台所、スミスフィールド市場近くでパブを営むパトリック・モーラン氏(58)は6日、朝9時に店を開ける。
クリスマス並みの豪華朝食とビールのセットを用意、130人のファンを待ち受ける。
「常連たちが楽しみにしているんだ。優勝候補のアルゼンチンが相手の7日には、店の外に客があふれ出るだろうね。」

「4年に1度のことじゃないか。」
なかなか話せる大主教様です。

教会でサッカーを見る。
神社で流鏑馬や蹴鞠を見るようなものだ。
違うな。

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